アイスランドの伝統家屋「芝生の家(ターフハウス)」
アイスランドには、9世紀にノルウェーからやってきたヴァイキング入植者によってもたらされた、伝統的な家屋が存在します。それは屋根全体が芝生で覆われた、まるでファンタジー映画に出てきそうな様式の家で、英語で「ターフハウス(turf house)」と呼ばれるものです。
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「芝生の家」は、構造上は日本で古墳時代まで普及していた竪穴式住居に似ており、地面を掘り下げて、住宅の床の部分が地表面より低くなっているのが特徴です。竪穴式住居の土、葦の代わりに芝生を使ったタイプと思ってもらえれば良いでしょう。
極地に近いアイスランドは「氷の島」という和名通り、寒さが厳しい国で、芝生を屋根に植え付けているのは、断熱材として寒さを防ぐためです。半地下なこともあり外の気温の影響を受けにくく、石油やストーブがなかった時代は、このような自然法則を利用した工夫で寒さをしのいでいました。見た目の趣があるというだけでなく、しっかりと実用的なのです。
芝生の家は、主にアイスランド北部エイヤフィヨルズウル沿岸に点在しており、住宅だけではなく、教会の屋根にまで植え付けてあるのを見ることができます。ただし、芝生の家を見たいだけなら、遠くて寒い北部にまで行かなくても、首都レイキャビクの南東約150km地点にある、スコゥガル民族博物館でも閲覧可能です。
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