世界には多様な言語が存在しますが、その中には消滅の危機に瀕しているものも存在します。アイルランド語もその一つで、現在話者数の減少により、その将来性が懸念されているのです。ここではアイルランド語衰退の原因と、その解決のためにアイルランド政府が行っている言語政策について解説しています。

 

 

英語の影響

アイルランド語衰退の一番の原因は、17世紀のイギリスによるアイルランド征服に端を発する、急速な英語化にあります。特に都市部でその影響が顕著であり、アイルランド語は日常生活で滅多に使われることがありません。アイルランド独立後の言語復興運動を経ても、英語が主要な言語として位置づけられていることは変わっておらず、世代が新しくなるごとに、日常的な話者数は減少していっているのが実情なのです。

 

教育制度の影響

また、現状の教育制度がアイルランド語の衰退に影響を与えているという批判もあります。アイルランドではアイルランド語が学校教育の必修科目となっていますが、その教え方や評価方法に問題があるとのこと。それゆえに少なくない生徒にとってアイルランド語は苦手意識を持つ科目となっており、アイルランド語への興味や理解が深まらない＝結果衰退していくという問題が指摘されているのです。