古代ローマの下水道クロアカ・マキシマとは?

 

古代ローマは水を供給するための上水道だけでなく、排出するための下水道も備えていました。工場や公衆浴場、公衆トイレ、宮殿などに供給された水が、排水として下水道に流れていました

 

クロアカ・マキシマ

古代ローマの下水システムを「最大の下水」の意で「クロアカ・マキシマ」と呼びます。紀元前7世紀頃、エトルリア人の技師たちを使い、貧民階級を半ば強制的に動員することで完成させたもので、テヴェレ川に排水が運ばれていました。

 

下水システムの整備は都市の衛生状態を大きく改善しました。古代世界では汚物を街路に投棄するなど排泄物の未処理でペストなど伝染病が蔓延することがしょっちゅうで、古代ギリシアなどはそれが原因で衰退してしまったといわれています。ローマ繁栄の要因の一つとして、下水道による汚物処理が適切に行われていたことがあるといっても過言ではありません。

 

古代ローマ時代に作られた下水道は現代においても一部は使われ、雨水や汚水を排水しています。