
奴隷貿易とは、奴隷の売買を行う交易のことです。ヨーロッパにおいて、奴隷の売買自体は古代ローマ時代から行われていたものの、大航海時代以降のそれは、16世紀から19世紀にかけて、新大陸の植民地化の進行にともない開始され、
などの特徴があります。
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もともと植民地では奴隷ではなく先住民のインディアンを使役していたのですが、ヨーロッパ人が持ち込んだ疫病や過酷な労働により数が激減したため、労働力不足を補うためにアフリカで調達した黒人奴隷を利用するようになったのです。
奴隷貿易が本格化したのは、16世紀に入り奴隷制砂糖プランテーションが登場してからです。
まず大航海時代の先駆けとなったポルトガルが参入し、同国はアフリカ西岸に奴隷の集積地を確保していました。次いでオランダ、イギリスが参入しています。
特にイギリスは本国・アフリカ・西インドを結ぶ三角貿易で得た莫大な利益を元手に、産業革命を起こし、「パックス・ブリタニカ(イギリスによる平和)」を体現。世界史に重大な影響を与えたという点は覚えておきましょう。
アフリカから海を超え送られた奴隷は16世紀からの300年間で5000万人にのぼるといわれますが、奴隷船の環境は劣悪であり、航海中に20%の奴隷が死亡したといわれています。
奴隷貿易にはこういった人道上の問題があったことから、市民革命の世紀である19世紀には奴隷廃止運動が活発化し、イギリスは1833年、フランスは1848年、アメリカは1865年に奴隷貿易を禁止しています。
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