大航海時代は、15世紀から17世紀半ばまで続いたヨーロッパ人による世界進出のことです。ヨーロッパ人により、アフリカ、アジア、アメリカ大陸など世界中への航海が行われました。大航海時代を通じて、ヨーロッパは多くの富や植民地を獲得し、その後の近代化を押し進める要因にもなりました。ここでは、大航海時代がいつからいつまで行われていたかに関して解説します。
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大航海時代は15世紀から始まったと言われています。15世紀に入り、オスマン帝国がバルカン半島や地中海を制圧。西ヨーロッパと東方貿易の主導権を握り、取引に高い関税をかけていました。そのため西ヨーロッパは、直接東方とやりとりするための新しい交易ルートを模索していました。そこでポルトガルとスペインは北アフリカに進出し、大航海時代が始まりました。
大航海時代の最初の一歩として、ポルトガルの探検家バルトロメウ・ディアスが1488年にアフリカ南端の喜望峰に到達し、インド洋への航路を開いたことが挙げられます。続いて、1492年にはスペインのクリストファー・コロンブスが西インド諸島に到達し、アメリカ大陸の発見がなされました。この発見は、ヨーロッパに新たな地理的知識と未知の世界への探求心をもたらし、大航海時代の幕開けを象徴する出来事となりました。
スペイン、ポルトガルはアフリカ進出後、アジア、アメリカ大陸にも進出します。アフリカの航海ルートを確立し、インドやマカオといった東方地域にも到達。中南米大陸ではインカ、アステカを征服し領土を拡大していきました。16世紀に入ると、オランダ、イギリス、フランスといった後発国の海外進出が始まり、北アメリカやアジアの開拓が進みます。
16世紀末から17世紀初頭にかけて、イギリスとオランダがポルトガルとスペインの海上覇権に挑戦し始めました。イギリス東インド会社(1600年設立)とオランダ東インド会社(1602年設立)が設立され、これらの企業は貿易と植民地の獲得に大きな役割を果たしました。オランダはアジア貿易で特に成功を収め、一方イギリスは北アメリカとインドで勢力を拡大しました。
大航海時代は、ヨーロッパ諸国が世界のほとんどの地域に到達した17世紀中頃に終わりを迎えました。この時期までに、ヨーロッパの勢力は地球の各地に確立され、新しい交易ルートや植民地が形成されました。しかし、大航海時代の精神と成果は、その後の植民地時代や帝国主義の時代に引き継がれ、世界の歴史に大きな影響を与え続けました。
大航海時代は、単なる地理的発見や貿易の拡大にとどまらず、ヨーロッパの経済、社会、文化に多大な影響を及ぼしました。新しい富の流入により、ヨーロッパの経済は飛躍的に発展し、商業革命が起こりました。また、異なる文化や宗教との接触が増えたことで、ヨーロッパの知識や思想も大きく変化し、ルネサンスや啓蒙時代の思想的基盤が築かれました。
大航海時代は、ヨーロッパ史における重要な転換点であり、地理的な発見や貿易の拡大を通じて世界の一体化を促進しました。この時代の探検と発見は、ヨーロッパの経済、社会、文化に深い影響を与え、近代世界の形成に大きな役割を果たしました。
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