重商主義と重金主義の違いとは?

重商主義と重金主義の違い

重商主義と重金主義はいずれも貴金属重視だが範囲が異なる。重金主義は金銀そのものの蓄積を目指し、重商主義は貿易黒字を通じて富を増やそうとした。本ページでは、ヨーロッパの経済思想や貿易政策、歴史的展開を理解する上で重要なこのテーマについて、より詳しく探っていこうと思う。

重商主義と重金主義の違いとは?

重商主義と重金主義の違いを教えてください。

重商主義というのは、16~18世紀ヨーロッパでさかんになった、国を大きくするためには、とにかく富の蓄積が重要であるとする経済思想のこと。


重金主義というのはその重商主義の1形態であり、富の蓄積の手段として金銀獲得を重視する初期重商主義の考え方のことです。


一長一短の重金主義

重金主義は、16世紀に主にスペイン帝国により推し進められ、以下のような特徴を備えていました。


重金主義の特徴

 
  • 金銀の輸出を制限・禁止する。
  • 金銀獲得のために植民地拡大・鉱山開発を促進する。


行き過ぎた重金主義の促進は、国内の貨幣価値を著しく低下させ、国内産業の停滞を招くことがわかったので、17世紀以降は貿易差額主義にとって代わられることとなるのです。