百年戦争でイギリスはなぜカレーを死守できた?

イギリスのカレー防衛(百年戦争)

イギリスのカレー防衛は百年戦争後期における拠点維持の戦いだ。カレーは最後に残された大陸領で、16世紀までイングランドの橋頭堡となった都市である。本ページでは、ヨーロッパの戦略拠点や都市防衛、英仏関係などを理解する上で重要なこのテーマについて、より詳しく探っていこうと思う。

百年戦争でイギリスはなぜカレーを死守できた?

百年戦争において、イギリスはなぜカレーを最後まで死守することができたのですか?

確かにイギリスは、百年戦争において大陸領土のほとんどを失うことになりますが、カレーに関しては、維持できた数少ない大陸領土の1つとなりました。これはカレーがイギリス防衛の最終拠点だったことが背景にあります。


カレーの位置。グレートブリテン島と大陸ヨーロッパを繋ぐ玄関口として古来より重要視されている。


カレーの軍事的・経済的重要性

ドーヴァー海峡を挟んでイギリス本土に極めて近いカレーを失えば、国の喉元に剣を突きつけられたも同然で、なおかつここを足掛かりとした大陸進出の可能性も消えるので、他をどれだけ失ってもカレーだけは死守せねばなりませんでした。


またカレーにおける毛織物業はイギリスにとって重要な収入源でもあったので、カレー喪失は経済的にも大ダメージでした。


こういった理由でイギリスはカレー防衛に巨額を投じていたので、フランスもうかつに手が出せなかったのです。