神聖ローマ帝国は10世紀から19世紀にかけ、ドイツ語圏(現在のドイツ・オーストリア・スイスなど)に広く勢力を持ち、強い自治権を持つ複数の領邦で構成される連邦国家でした。神聖ローマ帝国=オーストリアという理解をしている人が多いのですが、あくまでオーストリアというのは神聖ローマ帝国を構成した領邦の一つにすぎません。
フランク王国時代のオーストリア辺境伯がオーストリアの元で、8世紀にフランク王国が3つに分裂すると、オーストリア辺境伯は後の神聖ローマ帝国である東フランク王国に属することとなりました。
そして神聖ローマ帝国最有力諸侯ハプスブルク家の初代神聖ローマ皇帝ルドルフ1世(在位1273〜1291年)がオーストリアを獲得して以降、オーストリアがハプスブルク家の本拠地となりました。神聖ローマ帝国とオーストリアは同一ではありませんが、中核であったのは確かです。
オーストリアに勢力を広げたルドルフ1世。以後20世紀までオーストリアが神聖ローマ帝国の中心となる。
|
|
|
|