北欧神話における「世界の終わり」について

北欧神話における「世界の終わり」とは、ラグナロクのことを指しています。

 

ラグナロクでは神々と怪物が戦い、人間のみならず神も怪物もほぼ全滅し、世界そのものが滅びてしまいます。

 

これは、あらゆる神話の中でもとても珍しい物語です。

 

 

ラグナロクはどのようにして起こったか

アイスランドの詩人、スノッリ・ストゥルルソンが著した詩の教本『新エッダ』によれば、まず大いなる冬、フィンブルヴェトが始まりました。

 

世界から夏がなくなり、三度の冬が続けて訪れたのです。それによって人々は飢えに苦しみ、戦いを始めました。

 

やがて、太陽と月がスコルとハティという狼に飲み込まれ、星々が天から落ちました。地上では大災害が起こり、あらゆる命が消えてしまいます。

 

神々はなんとかしようと奔走しますが、そうしているあいだにも怪物たちを封印していた足枷や縛めが消し飛び、神々の敵ロキや巨大な狼フェンリル、冥界の番犬ガルムなどがアースガルズに攻め込んできました。

 

ロキは巨人族で、死者の国を支配する女神ヘルの父親でもありますから、巨人族や死者たちもロキに従いました。

 

神々と怪物の戦い

巨人たちの進軍に、神々や、「エインヘリャル」と呼ばれる戦死した勇者の魂たちは、甲冑に身を固め、ヴィーグリーズの野で死闘を繰り広げました。

 

しかし、最高神オーディンをはじめ、トール、フレイといった最強の神々も次々と倒れていきます。

 

やがて巨人スルトの放った炎が世界を焼き尽くし、アースガルズをはじめとする北欧神話の舞台「九つの世界」はすべて海中に没し、ラグナロクは終結を迎えるのです。

 

ラグナロクの後、世界がどうなったかは解釈や資料によって異なっています。

 

世界が本当に滅亡してしまうとするものあれば、神々は敗北するがごく一部は生き残り、新世界で蘇るとするものもあります。