フランスで王政はいつまで続いた?

フランス最後の国王ルイ・フィリップ(在位1830〜1848年)

 

987年に成立したフランス王国の祖は、481年ガリア北部に成立したメロヴィング朝フランク王国です。フランク王国は9世紀初頭に西ヨーロッパを統一、現在のドイツフランスイタリア北部にまたがるほどの広大な領土を築くも、843年に東フランク、西フランク、中部フランクという3つの国に分裂。987年、西フランクの支配権がカロリング朝からカペー朝に渡ったことで成立したのがフランス王国になります。以来フランス王国はフランス革命(1789年)による中断を経て、二月革命(1848年)で王政が完全に廃されるまで続きました。

 

フランス王国が滅んだ理由

フランス王国は、ブルボン朝ルイ14世(在位:1643年〜1715年)の時代に絶対王政を確立し、その威容をヨーロッパ中に轟かせました。しかし彼の治世で領地獲得戦争を繰り返したことでフランスの財政は悪化。ブルボン王政はその穴埋めのために国民に対し重い税を課し不興を買うようになります。さらに王権強化のためプロテスタント(ユグノー)への弾圧を再開し、人材の国外大量流出を招いたこともあり、国際的競争力も低下していきました。

 

フランス革命による王朝転覆

ブルボン王政の失策による不況に加え、貧困、深刻な不作による食糧不足もかさなり、市民の不満が爆発。フランス革命(1789年)によりブルボン王朝は転覆し、フランス王国は一度崩壊してしまいました。ナポレオン戦争後の1815年に王政復古を果たすものの、旧態依然とした反動政治がまたも市民の反感を買い、二月革命(1848年)で再度打倒されます。これにより、10世紀の成立以来、800年以上続いた「王国」としてのフランスの歴史には終止符が打たれたのです。