ヨーロッパは第一次世界大戦(1914〜19年)という惨禍を経験し、戦後は国際連盟のもと「もうあのような悲劇は起こすまい」と平和協調ムードの中で復興の道を突き進んでいました。しかしそんな平和ムードをぶち壊しにしてしまったのが世界恐慌です。
アメリカにおける大不況の影響はすぐにヨーロッパに波及し、失業や倒産が相次ぎました。ヨーロッパ諸国は第一次世界大戦以降、アメリカからの援助に依存するようになっていたためです。
そしてイギリス・フランスのような持てる国はブロック経済で自国優先主義に走り、ドイツ・イタリアのような持たざる国は自給自足圏の拡大を掲げ、軍拡と侵略に走ります。
かつての平和協調路線はどこへやら、ヨーロッパは第一次世界大戦前のような、帝国主義の過熱で、軍事的緊張が支配する火薬庫のような状態に戻ってしまいました。
とりわけ世界恐慌による大不況・社会不安を背景に、ドイツではファシズム政党のナチスが政権を獲得していました。ナチスはドイツ民族保護を名目にオーストリア併合、チェコスロバキア併合など侵略・拡大を推し進め、1939年のポーランド侵攻をもって第二次世界大戦の火蓋を切って落としたのです。
世界恐慌は第二次世界大戦への道筋を敷いてしまった。
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