建築様式というのは、建築の表現上の同一性を一定の時代ごとに区分けしたものです。そしてヨーロッパの建築様式は、時代が下るにつれ、ロマネスク(10世紀末〜)、ゴシック(12世紀中頃〜)、ルネサンス(15世紀〜)、バロック(16世紀〜)、ロココ(18世紀〜)というように変化していきました。
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ピサ大聖堂(イタリア)
全体的に丸みを帯びて、どっしりしています。重厚な壁と小さな窓、半円アーチなどが特徴的です。構造上の問題であえて窓はあえて控えめにされており、全体的にあまり飾らないシンプルな外観をしています。ローマ時代の建築様式やビザンチン文化の影響も受けています。
シャルトル大聖堂(フランス)
ロマネスク建築の要素をさらに発展させた建築様式です。尖っていて垂直、高さと細さが誇張された尖塔アーチ状の造りになっています。高い柱、円形状の天井、垂直に長く大きなステンドガラスなどが構造上の特徴としてあげられます。
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サンタ=マリア大聖堂(イタリア)
ルネサンス建築は花の都フィレンツェから各地に広まった建築様式です。平面的で整然としており、左右対称・均等なデザインが特徴です。円柱、アーチ、ドームといった古代ローマの要素が再生(ルネサンス)されており、外部に向けて秩序と威厳を強調する意味合いが込められています。
ヴェルサイユ宮殿(フランス)
外装にウネりやネジれが多様されており、均整がとれたルネサンス建築と対照的に不整形です。不整形なフォルムに合わせ曲線がかった窓が使われています。過剰なほど豪華壮麗な装飾・彫刻で、これまでのどの建築様式よりも高い建設費がかかりました。ちなみに「バロック」の語源はポルトガル語で歪んだ真珠を意味する「バローコ」に由来しているそうです。
サンスーシ宮殿(ドイツ)
バロックの豪華絢爛さは影を潜め、軽快で繊細優美な造りをしており、教会や宮殿などの屋内装飾、家具調度品の装飾に導入された様式です。室内装飾には、「ロカイユ」と呼ばれる浮彫装飾が施されています。この様式はひたすら壮麗なバロックに飽きていた建築家達に歓迎され、急速にヨーロッパ各地に広まっていきました。
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