なぜ十字軍遠征で東方貿易が栄えたの?

十字軍遠征を機に東方貿易が栄えたのはなぜですか?

十字軍の遠征が繰り返されるうちに、東方(地中海東岸のレバント地方)との海上交易路が確立されたことが背景にあります。

 

十字軍遠征の中で交易拠点が作られる

東方との交易は、十字軍以前から行われていましたが、陸路が主でした。しかし十字軍遠征の中で、地中海を介した輸送・補給用海路が開拓され、地中海東岸の拠点も抑えられたことで、交易がいっそう活発化したのです。

 

第一回から十字軍遠征を支援していたヴェネツィアは、東方貿易で栄えた都市の筆頭である。

 

東方貿易で最も栄えたのは、十字軍遠征の出航地となっていたイタリア諸都市です。14世紀以降のルネサンスがイタリアから始まったのも、東方貿易により蓄積された富があったからなのです。

 

東方貿易の衰退と大航海時代の始まり

15世紀以降は新興国のオスマン帝国が、東地中海の覇権を握り、貿易船に高い関税をかけるようになったので、東方貿易は衰退していきました。それまで東方貿易で稼いでいた商人達は、西回り航路でアジアを目指すようになり、ヨーロッパ人の活動の舞台が地中海から大西洋に移る大航海時代へと繋がっていきます。