ヨーロッパの気候的特徴|東欧・西欧・南欧・北欧の違いとは?

 

ヨーロッパ州の気候は、地域によって差はあれど全体的には温暖です。暖流のメキシコ湾流から生まれた偏西風※が、ヨーロッパ全体に吹きつけているため、他の同緯度地域より温かいのです。ヨーロッパでも夏は暑くなりますが、蒸し暑い日本の夏とはかなり異なり、暑くてもカラッと乾燥しています。そのため木陰や屋内に逃れれば快適なのです。ただ湿気がない分、日光が吸収されにくく、太陽が非常にまぶしいのも特徴です。

 

 

東ヨーロッパの気候

該当地域:ロシアベラルーシブルガリアなど

 

東ヨーロッパは内陸にあり、大部分で大陸性気候の特徴が見られます。夏と冬の気温差が大きい地域で、夏はとても暑く、冬がとても寒くなる傾向にあります。冬は多くの川や湖が凍りつくほど冷え込み、特にロシアのシベリア地方では、冬に氷点下の極端な低温が見られます。降雨については、黒海沿岸以外は年間通して雨が少ないです。

 

西ヨーロッパの気候

該当地域:ドイツフランスオーストリアなど

 

西ヨーロッパは西岸海洋性気候が支配的で、夏はさほど暑くならず、冬は暖流の影響でさほど気温も下がらず、年間通して過ごしやすいです。季節による雨量の変化も少なく一定しています。ドイツ、フランス、オーストリアなどの国々では、年間を通じて温暖な気候が続き、過ごしやすい環境が保たれています。これは大西洋からの暖流と偏西風の影響によるもので、季節による気温や降雨量の変動が少ないため、安定した気候を享受しています。

 

西ヨーロッパは、日本のように四季がはっきりしており、自然の変化を楽しむことができます。

 

南ヨーロッパの気候

該当地域:スペインポルトガルイタリアなど

 

南ヨーロッパは地中海性気候の特徴を持ち、夏は暑く乾燥し、冬は温暖で雨が多いです。スペイン、ポルトガル、イタリアなど地中海に面した国々では、夏季の高温と乾燥した気候が特徴的で、観光地としても人気があります。冬は比較的穏やかで、雨が多いため地中海式農業が栄えています。この地域の気候は、オリーブオイルやワインなどの農産物にも影響を与えており、地中海料理の多様性と豊かさに貢献しています。

 

北ヨーロッパの気候

該当地域:スウェーデンフィンランドノルウェーなど

 

北極圏に近いこともありヨーロッパで最も寒冷で、亜寒帯気候、ツンドラ気候などの特徴が見られます。ただし暖流の北大西洋海流の影響で、他の同緯度地域よりはずっと温和です。また北極圏に入る北端では、白夜(1日太陽が沈まない)・極夜(一日中太陽が昇らない)が起こることでも知られています。冬にはオーロラ観測のチャンスもあり、観光客にとって魅力的な地域です。

 

ヨーロッパの気候的特徴まとめ

以上東欧・西欧・南欧・北欧と、ヨーロッパの地域別の気候的特徴を解説させていただきました。

 

この多様な気候は、ヨーロッパの歴史や文化の発展に大きな影響を与えてきました。東欧の厳しい冬と暑い夏は、その地域の伝統的な生活様式や建築に影響を与え、西欧の穏やかな海洋性気候は農業の発展と繁栄の土台を提供してきました。

 

また南欧の地中海性気候は、古代文明の発展に適した環境を作り出し、北欧の亜寒帯気候は、ヴァイキングの航海技術の発展に寄与しました。これらの地域ごとの気候は、ヨーロッパ各地の歴史的背景と緊密に結びついており、大陸の多様な歴史と文化の豊かさを形作っているのです。