ギリシア神話もキリスト教も、ヨーロッパ文明の支柱となっている重要な要素ですが、1番の違いは多神教か一神教かの違いになります。
ギリシア神話において「世界」は、ガイア(大地)、ゼウス(天)、ポセイドン(海)、アポロン(太陽)など様々な「自然の化身」がより集まって成立したとされています。
そのため古代ギリシアの人々はそれぞれの生活状況に応じて、信仰対象が異なるのは当たり前で、例えば農耕に従事していれば大地の神を崇めますし、漁業に従事していれば海の神を崇めていました。
一方キリスト教における「世界」は、全知全能の1人の神によって創造されたとされています。よって神は一人しか存在しませんし、キリスト以外の神を崇めるなど考えられないわけです。
だからこそローマ帝国でキリスト教が国教となった後は、複数の神の存在を認めるギリシャ神話信仰やローマ神話信仰などは「異端」とされ、排除されるようになったというわけなのです。
キリスト教における唯一神が、最初の人類アダムに声明を吹き込む場面を描いた『アダムの創造』(ミケランジェロ作、1508?1512年)
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