アイルランドの民族衣装の特徴

アイルランドイギリス植民地時代が長かったため、アイルランド独自の民族衣装らしい民族衣装がないのが実情です。

 

民族衣装が確立されるためには、

 

  • 民族としての自立性
  • 布地や彩色のための原料
  • 安定生産のための人手・工場

 

など、意外に必要なものが多いので歴史上ほとんどの期間搾取され続けてきたアイルランドでは、そういった文化が根付く余地がなかったのです。

 

キルトと似ているアイルランドの民族衣装

ただアイルランド人は祖先がケルト系民族なので、彼ら彼女らが民族衣装として着る衣装は、同じケルト系のスコットランド人の着る「キルト」と似ています。

 

キルトはスカート風の民族衣装で、男女ともに着られ、詳しい特徴については【スコットランドの民族衣装の特徴】を参照してください。

 

アイリッシュダンスの際の衣装

アイルランドには16世紀からの歴史がある「アイリッシュダンス」という伝統的な舞踊(映画タイタニックのワンシーンで踊られています)がありますが、この際に着る刺繍やスパンコールで飾られた衣装が、アイルランドの民族衣装とみなされることもあります。

 

アイリッシュダンスの衣装は、色鮮やかなデザインが特徴です。女性の衣装は、通常、長袖のドレスであり、光沢のあるサテンやベルベット素材が使用されることが多いです。また、男性の衣装は、しばしばキルトに似たスカートと、伝統的なアランセーターが組み合わされます。

刺繍とスパンコール

刺繍やスパンコールで飾られたこれらの衣装は、アイルランドの伝統的な図案やシンボルが用いられ、その豊かな文化を反映しています。ケルティックの紋様や自然を象徴するデザインが一般的で、これらの装飾はアイルランドの民族意識と深く結びついています。

 

アイリッシュダンスの発展と衣装

アイリッシュダンスが世界中で人気を博するようになったことで、これらの衣装も国際的に認知されるようになりました。ダンスの発展とともに衣装も進化を遂げ、現代的な要素を取り入れつつも、伝統的な美しさを保っています。

 

アイルランドの文化や歴史を反映したこれらの衣装は、民族衣装としての役割を果たすと同時に、アイルランドのアイデンティティを世界に示す重要な手段となっています。アイリッシュダンスの衣装は、アイルランド人のプライドと文化の継承を象徴しており、その美しさと意義は計り知れないものがあります。