古代ギリシアの葬儀からみる死生観とは?

古代ギリシアの葬儀

古代ギリシアの葬儀は死者の魂を敬い、来世への旅立ちを助ける重要な儀式であった。遺体の洗浄や棺への納棺、火葬や土葬が行われ、親族や市民が祈りを捧げた。葬送歌や供物も供され、社会的な絆を強める場でもあった。本ページでは、このあたりの歴史的背景とヨーロッパ文化との関連について詳しく掘り下げていく。

古代ギリシアの葬儀からみる死生観とは?


古代ギリシアでは、霊魂は死後肉体の周辺に一定期間とどまった後、エーリュシオンや冥界に旅立つと考えられていました。そのため葬儀というのは、その旅路をスムーズにするための「儀式」と位置づけられ、非常に重視されていました。また死者の腐敗した不名誉な姿を見ないために行うという面もありました。



土葬か火葬か

古代ギリシアでは土葬も火葬も行われましたが、火葬は費用がかかるため貧困層には敷居が高いものでした。しかし火葬は死者の肉体を浄化するという意味合いがあるため、多くの場合火葬が望まれました。なお自殺した者や奴隷なども火葬してもらうことはできませんでした。


葬儀の流れ(火葬の場合)

  1. 死者が出ると、目や口を閉じ、遺体を清め白檀や香油を塗った後、布で包む。
  2. 薪の上に遺体が乗せられる。
  3. 死者の遺族によって点火される。
  4. 火が燃えている最中にワインを注ぎ、燃え尽きたらワインで完全に火を消す。
  5. 遺骨と遺灰を集めて壺の中に入れる。


その他豆知識

  • 夜は悪霊が出ると考えられ、葬儀は昼間に行われた。
  • 葬儀中は号泣することは禁止されていた。