フランス料理の歩んできた歴史とは?

UnsplashJay Wenningtonが撮影した写真

 

フランス料理は、庶民的な家庭料理から、美食を追求した高級料理まで、豊かなバリエーションを持つ、世界三大料理の1つです。その為、さぞその歴史も長いのだろうと感じる人も多いと思いますが、「フランス料理」というジャンルが確立されたのは、意外にも最近であることは、あまり知られていません。

 

 

フランス料理の確立

中世までのフランス料理といえば、今の洗練されたイメージからはかけ離れ、肉や野菜を丸ごと焼いて、思うがままに食すスタイルでした。

 

イタリア料理の流入が転機

転機が訪れたのは、16世紀、フランスイタリア料理がもたらされてからです。ルネサンス時代(14世紀〜)を経験したイタリアの食文化は洗練され多様性に満ちており、フランスの上流階級を中心に人気を博すようになります。

 

今では当たり前に使われているフォークやナイフも、イタリアの影響で使われ始めました。

 

さらに17世紀に入ると、イタリア料理の模倣に、フランス独自のオリジナリティを求める方向性が加わり、フランス料理というジャンルが確立され始めるのです。

 

フランス料理の庶民化

フランス料理は長らく、宮廷など、限られた上流階級の中で発展を遂げていきました。しかし、18世紀末にフランス革命が起きると、フランスの王朝制度は崩壊し、宮廷で働いていた人々も職を失います。

 

宮廷内の料理人もその中に含まれ、一庶民となった料理人が安い食材で料理を作るようになったことで、一般大衆でも気軽に食べられるような、家庭的なフランス料理が生まれたのです。

 

フランス料理の現在

19世紀に入ると、大皿から取って食すというスタイルから、小皿で少しずつテーブルに運ばれる文化が確立し、いわゆるコース料理として親しまれるようになりました。

 

また、味付けの濃い調理方法よりも、素材本来の味を生かす調理方法が好まれるようになり、見た目の美しさも料理の要素として評価されるようになったりと、「ガストロノミー(美食)」の要素が強い現在のフランス料理が誕生したのです。