イタリア料理の歴史はとても古く、古代ローマ時代までさかのぼることができます。古代ローマの人々は、食事の時間をとても大事にしており、上流階級に関しては、客人を招いて料理をふるまうのが習慣のようになっていました。
貴族に雇われた料理人たちは腕を競い、次々新しい料理を作り出していきました。そしてそれは、ローマの拡大とともにヨーロッパ各地で食べられるようになり、後世の料理文化に影響を与えることとなるのです。
ローマ貴族の食事風景
12世紀頃、今ではイタリア料理の定番中の定番といえる、ピザやパスタが作られるようになりました。イタリア国内で小麦栽培が活発化し、小麦粉の流通量が増えた影響です。
16世紀には、飢饉の影響で長期保存できる乾燥パスタが、18世紀にはそれまで禁忌とされてきたトマトが食用として食べられるようになりました。
このように、イタリア料理の歴史自体は、古代ローマ時代にまで遡る非常に古いものですが、私たちが「イタリア料理」と聞いてイメージする、ピザ・パスタ・トマトなど定番が全て一式揃った状態でのイタリア料理の歴史というのは、以外にもまだ浅いものなのです。
「イタリア料理など存在しない」といわれるほどに、イタリアの食文化は地域性が強いです。ヴェネツィア料理、シチリア料理、ミラノ料理、ボローニャ料理、ナポリ料理など、本当に様々な郷土食が存在します。
これは473年の古代ローマ崩壊から、1861年のイタリア統一にいたるまで、イタリアは常に小国分立の状態にあり、政治的に全くまとまりを持っていなかったことが背景にあります。
さらに南北に長く、変化に富む地形から、地域ごとに特産品や外界から受ける影響が全く異なった為、食文化も自然と全く異なる独自の発展を遂げていったのですね。
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