
ロシアという国に対して、どこか「彫りが深くて冷たい印象の顔」や「金髪で色白、瞳が澄んでいる」といったイメージを抱く人も多いかもしれません。でもそれって本当に「ロシア人っぽい顔」なんでしょうか? ヨーロッパとアジアの間にまたがるロシアには、想像以上に多様な顔立ちが存在します。
この記事では、「ロシア人っぽい顔」のイメージがどこから来たのか、実際にどんな顔立ちの人が多いのかを、男女別に掘り下げてみます。そして、気候や歴史といった“ロシアの環境”が顔立ちに与えてきた影響についても、少し考察してみましょう。
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名誉警備隊のロシア人男性
出典:WikiImagesによるPixabayからの画像より
ロシアの男性に多い顔立ちは、いわゆる“スラブ系”をイメージさせる特徴が多く見られます。
ロシア人男性の顔の印象を語るとき、まず出てくるのが顎の強さ。下顎が発達していて、フェイスラインが角ばって見えることが多いです。顔全体の骨格が大きく、鼻も高め、額も広く、かなり男性的な印象を受ける人が多いのです。
目鼻立ちがはっきりしていて、掘りの深さがあるのも特徴です。瞳の色はブルーやグレー、グリーンが多く、寒色系の瞳が冷たくも魅力的な印象を与えます。ときおり無表情に見えることもありますが、それが逆に「強そう」と感じられることも。
民俗スタイルのロシア人女性
出典:VictoriaによるPixabayからの画像
一方で女性は、男性とはまた異なる方向で“ロシアらしさ”が出ています。
色白で透明感のある肌は、ロシア女性の美の象徴とされてきました。気温が低く紫外線も弱い地域が多いこともあって、肌のきめ細かさや白さが際立ちやすいのです。チークを入れなくても頬がうっすら紅潮しているように見える人もいます。
鼻筋が通っていて、目と眉の位置が比較的離れている、いわゆる西洋的な顔立ちが多く見られます。とくにモスクワやサンクトペテルブルクなど都市部では、スラブ系の美的特徴が強く出ている傾向があります。
ロシアのサーミ人
寒冷な気候に適応したロシアのサーミ人の顔立ちは、丸みのある輪郭や小さな鼻など、体温の保持に有利な特徴が見られる。
出典:著者不明 / Wikimedia Commons パブリック ドメインより
さて、そもそもなぜロシアにはそうした顔立ちの人が多いのでしょうか?その答えは、「環境」や「歴史」と深く関係しているんです。
ロシアのような寒冷地帯では、熱を逃がしにくいように、顔の表面積が小さめな方が適しているといわれています。そのため、頬骨が発達していたり、顔が平たく見えたりするケースもあるんです。これは寒冷地のアジア系民族にも通じる特徴でもありますね。
ロシアは広大な国土を持ち、100を超える民族が共存しています。モスクワなど西側ではスラブ系の血が濃く、シベリアや中央アジアに近い東部ではモンゴロイド系の顔立ちも見られます。このため、地域によって「ロシア人っぽい顔」のイメージも変わるわけです。
このように「ロシア人っぽい顔」って、実はひとくくりにはできないほど多様なんです。ただ、寒冷な環境や歴史的な民族の移動・混血といった背景を知ることで、その“ロシアらしさ”の成り立ちにちょっと近づける気がしてきますね。
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