ヨーロッパの難民・移民問題をわかりやすく解説

 

難民とは、政情不安定な故郷で戦争や人種・宗教などの理由で差別・迫害などにあって、政情的に安定している国に庇護を求めて逃げ込んできた人達のことです。

 

ヨーロッパはアフリカや中東といった情勢不安定な地域と隣接しているので、難民の流入がさかんな地域として知られます。特にシリア、アフガニスタン、ソマリアからの難民が多く、この3カ国で全難民の54%を占めています。

 

 

難民問題がヨーロッパ経済を圧迫?

言葉も宗教も価値観も違う人達を、1日何千人という受け入れ続けることは、非常に大きな負担になります。EUは打開策を模索していますが、そう簡単には解決するものではありません。

 

応急策として国境を封鎖したり、国境警備を強化する国も出てきていますが、迫害から逃れてきた難民を追い払うような姿勢は、人道上国際的に批判を浴びます。

 

難民問題の最終的な目標は、難民の人達の母国が平和になり、難民を生み出さないこと、安心して帰れることですが、問題の根を断つのは簡単なことではありません。

 

命がけでヨーロッパへ渡る難民

アフリカの紛争から逃れる為、何十万人という難民が地中海を越えてヨーロッパへ渡ろうとします。しかし渡航には粗末な作りの船が使われ、渡りきる前に沈没してしまうことも多く、沈没による溺死者は毎年数千人におよびます。

 

少しでもこのような悲劇をなくすため、国境なき医師団(MSF)と市民団体「SOSメディテラネ」が共同運航する海難救助船「アクエリアス号」が、海難者を助ける為に地中海で活動を続けています。