東ローマ帝国に暮らしていた民族は?

東ローマ帝国の民族

東ローマ帝国の民族構成は多様で、ギリシア人を中心にアルメニア人、スラブ人、アラブ人などが含まれた。帝国内の文化と社会は多民族的性格を帯びていた。本ページでは、このあたりの歴史的背景とヨーロッパ文化との関連について詳しく掘り下げていく。

東ローマ帝国に暮らしていた民族は?

東ローマ帝国にはどのような民族の人々が暮らしていたのですか?

東ローマ帝国ローマ帝国の東方領土として成立した国家です。つまりローマにより征服される前は、アテナイマケドニア王国などギリシア系国家が優勢であった領域なので、ギリシア人が多く暮らしていました。


バルカン半島を中心とするギリシア文化圏は、紀元前2世紀にローマに征服され、ラテン化が進みますが、優れたギリシア文化はローマ人により保護されたため、廃れることはありませんでした。


ギリシア化の進行

それでも成立初期にはアルメニア人、コプト人、ユダヤ人など様々な民族を含む多民族国家だったのですが、東ローマ帝国が成立以後は、ギリシア化が進行し、5世紀にはほとんどの住民がギリシア系に。7世紀以降は公用語もギリシア語に変わっていたのです。


エルサレムに聖十字架を捧げる皇帝ヘラクリウス(在位610~641年)。彼の治世で、東ローマ帝国における公用語が、ラテン語からギリシア語へと切り替わった。


とはいえ、東ローマ帝国の住民は統一ローマ時代に引き続きローマ市民権を持っていたので、ギリシア系・非ギリシア系に関わらず自分たちのことを「ローマ人」と読んでいました。