
「ヨーロッパって地震少ないよね?」──そう感じたこと、ありませんか?実際、日本のように日常的に揺れを感じる地域とは異なり、ヨーロッパでは地震がめったに起きません。でも「まったく無い」わけではなく、国によってはびっくりするほど地震が多い地域も存在するんです。このページでは、ヨーロッパ全体でなぜ地震が少ないのか、その地質的な理由と、例外的に“揺れる国”の特徴を、わかりやすく解説していきます。
まずは「なぜヨーロッパには大地震が少ないのか?」という素朴な疑問を、地球の動きから見ていきましょう。
ヨーロッパの大部分──とくにフランス、ドイツ、ポーランドなど中北部の国々──はユーラシアプレートの内側に位置しています。つまり、プレート同士がぶつかり合う“境界”から遠いんですね。日本やチリのように複数のプレートが押し合う場所では頻繁に地震が起きますが、ユーラシアプレートの内部では地殻のストレスが少なく、地震活動も自然と静かになります。
ヨーロッパには古い岩盤でできた安定陸塊(クラトン)が広がっています。たとえばスカンジナビア半島やバルト諸国の一部では、数十億年前の岩石が地盤を支えており、地震や火山活動が極めて起こりにくい状態。これはまさに「動かない大地」ともいえる存在なんですね。
とはいえヨーロッパ全域が“無風状態”というわけではありません。地震が集中している例外的なエリアもあります。
この地域は、アフリカプレートとユーラシアプレートの境界にあたります。プレートが押し合い、火山や地震が頻発する“活動帯”なんですね。ナポリ近郊のヴェスヴィオ火山や、ギリシャのクレタ島周辺では、過去にも大規模な地震が発生しており、今なおリスクが高い地域です。
とくにトルコでは、北アナトリア断層という巨大な活断層が東西に伸びており、1999年のイズミット地震(M7.6)のような大地震を引き起こしてきました。バルカン半島のアルバニア、北マケドニア、ルーマニア南部なども、ユーラシアと他プレートの圧力がかかる地帯で、時折揺れに見舞われます。
最後に、地震が少ないからといって「安心しきっていいか」という点についても触れておきましょう。
地震が少ない地域でも、地殻に少しずつたまったストレスが長い年月をかけて解放されることがあります。これが「まさかの場所で大地震」というケース。地震の記録が少ないぶん、備えが不十分なこともあり、被害が大きくなるリスクもあります。
石造りの歴史的建造物が多いヨーロッパの都市では、耐震性が低い建物が今も数多く残っています。とくに地震が多い南欧の都市を訪れる際は、宿泊先や避難経路など、ちょっとした防災意識を持っておくと安心ですね。
このように、ヨーロッパで地震が少ないのはプレートの境界から離れた“安定した地盤”のおかげ。でも、例外的に揺れる国もあるので、油断は禁物。地球の動きとつながっているという視点で、大地の静けさをありがたく感じたいですね。
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