トルコの政治の歴史を見ると、その地理的な位置から見ても、「東西の交差点」に位置する関係上、さまざまな文化と思想が絶えず交錯する場となり、独自の政治体制が形成されてきました。古代の遊牧民からオスマン帝国の栄光、そして現代のトルコ共和国への転換といった重要な時期を通じて、その政治は大きく変化し続けてきたのです。

オスマン帝国の時代

14世紀から20世紀初頭までの間、トルコの地は中央アジア出身の遊牧民族が建設したオスマン帝国の一部であり、広大な帝国の中心となっていました。オスマン帝国は、行政と軍事の面で強力な中央集権体制を確立し、またイスラム法を基盤とした独自の法制度を整備していました。

トルコ革命と共和国の設立

第一次世界大戦の敗戦後、オスマン帝国は解体され、トルコ革命を経て1923年、現在のトルコにトルコ共和国が建国されました。初代大統領となったケマル・アタテュルクは、急進的な西洋化と近代化の政策を推進し、トルコの政治体制と社会構造を大きく変革しました。

複数政党制への移行

1946年には、トルコは一党制から複数政党制へと移行しました。これは、西欧の民主主義体制を模範とし、より政治的な開放を図った結果といえます。

軍事クーデターとその影響

しかし、政治の安定を欠いたトルコは、20世紀を通じて複数回の軍事クーデターを経験しました。これらのクーデターは、政治権力の均衡を大きく狂わせ、トルコの政治史に深い影響を与えています。

21世紀のトルコ政治

21世紀に入り、保守的なイスラム系政党である公正発展党（AKP）が長期にわたり政権を担い、大統領レジェップ・タイイップ・エルドアンの強力なリーダーシップの下、トルコの政治風景は再び大きく変化しています。