古代ローマの結婚式の特徴

 

古代ローマにおいて、長らく貴族と平民の結婚が禁じられていましたが、紀元前445年、カヌレイウス法によりそれが認められ、平民も貴族と婚姻を結び政界に進出することができるようになりました。ローマ社会において結婚とは、自らの血を残すということ以外にも、社会的地位を確立するための重要な手段でもありました。

 

 

古代ローマに起源を持つ結婚文化

ブライズメイド

ブライズメイドが同じ格好をするという伝統は、古代ローマの結婚式で同じ格好をすることでおとりになってもらっていた風習に由来しています。当時、結婚式には悪霊がやってきて男女の仲を引き裂こうとするものと考えられていたので、花嫁と友人が同じ格好をして悪霊を惑わせようとしていたのです。つまり、悪魔祓いの役割を果たしていました。

 

婚約指輪

婚約指輪の起源は、古代ローマの婚姻の際に約束を果たす誓いの印として、夫婦共に鉄の輪を付けていた習慣に由来しています。これが後に金や銀の指輪に変わり、婚約指輪として現代に引き継がれました。

 

ウェディングケーキ

ウェディングケーキは、古代ローマでビスケットやパンのような小麦粉のお菓子を使って繁栄や子宝を祈願していた風習に由来しているともいわれています。新郎新婦がこれらのお菓子を割って食べることで、豊穣と幸福を願ったのです。

 

結婚式の儀式と風習

結婚契約

古代ローマの結婚は、法律的な契約とみなされていました。結婚契約は、家族間の同意のもとで行われ、新郎新婦の両親が合意することが重要でした。契約には、持参金や財産の分配に関する取り決めが含まれていました。

 

結婚式の儀式

結婚式は通常、家族や友人が集まって行われました。花嫁は特別な白いトガを着て、花冠を頭に飾りました。式の最中、新郎は花嫁の手を握り、誓いの言葉を交わしました。この儀式は、夫婦の結びつきを象徴し、社会的にも認められるものでした。

 

結婚式後の宴会

結婚式後には、豪華な宴会が開かれました。友人や家族が集まり、歌やダンス、盛大な食事を楽しみました。この宴会は、結婚の喜びを分かち合い、夫婦の新たな生活の始まりを祝う重要なイベントでした。

 

結婚生活と社会的地位

女性の役割

古代ローマの結婚において、女性は家庭を守り、子供を育てる役割を担っていました。上流階級の女性は、家庭内の管理や教育にも関与し、夫の社会的地位を支える重要な役割を果たしました。

 

男性の役割

男性は家庭の主として、経済的な支柱となり、外部との関係を築く役割を担っていました。結婚は、男性にとっても社会的地位を強化する手段であり、政治的な結びつきや財産の管理において重要な意味を持っていました。

 

古代ローマの結婚は、個人の幸福だけでなく、社会的地位や家族の繁栄にも深く関わるものでした。結婚式の儀式や風習は、現代の結婚文化に多大な影響を与えています。ブライズメイドの習慣や婚約指輪、ウェディングケーキなど、古代ローマに起源を持つこれらの要素は、今日でも結婚式の大切な一部として受け継がれています。