アイルランドは、伝統的なケルト音楽が根付いている場所の一つで、その独特の世界観はいまや世界中の人々に愛されています。
日本では映画やアニメの劇中歌や、某大型チェーン雑貨店のBGMとしても採用されているため、聞き覚えがあるかもしれません。ここではそんなアイルランドの音楽の歴史をご紹介します。
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アイルランド人の祖先はケルト人で、かつては北ヨーロッパ全体に広がっていました。
しかしローマ帝国によって現代のアイルランドの地域まで追いやられ、その後も近隣諸国からの侵攻や内戦が絶えませんでした。1800年以降はイギリスの統治下に入り、民族音楽の演奏も禁じられました。
そんな不安定な状況のせいか、アイルランド音楽のほとんどは楽譜に起こされることもなく、演奏者同士の口頭伝承や即興演奏によって形作られていました。アイルランドの音楽の演奏にはたいていダンスがともなうため、基本的な音やリズムの型に対して、即興のアレンジやセッションで生まれる和音を楽しめるのが特徴です。
19世紀の後半になると、ケルト人のルーツを持つ人々の民族意識が高まり、独立運動が盛んになり、民族の伝統音楽とその中に息づく少数言語を擁護する動きも大きくなっていきました。
アイルランドで起こった飢饉を逃れて外国に移住していたアイルランド移民たちも、伝統音楽やダンスの発信に大きく貢献し、アイルランドはケルト音楽の復興と再活性化の中心地となりました。
長い抑圧と動乱の時代を生き抜いたアイルランドの音楽は、こうして多くの人に愛されるようになり、今日に至っています。
アンダーソン『アイルランド組曲』
アイルランドの伝承曲6曲を、オーケストラ版に編曲しなおしたもの。
ホーナー:「タイタニック」サウンドトラック
伝統舞踊曲「ポルカ」や、伝統楽器「ティンホイッスル」の奏でる切ないメロディーが映画の名シーンを彩っている。
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