国名を「アイルランド自由国」から「エール」に改称した理由とは?

エール(Eire)」とはアイルランド語で「アイルランド」を意味します。「アイルランド自由国」(Irish Free State)という名称は、アイルランドが1922年にイギリスから独立した際に用いられた名称でしたが、1937年に新憲法が採択され、国名が公式に「エール」に変更されました。

 

 

国名変更の背景

この変更の背景には、アイルランド国民のナショナルアイデンティティと独立志向があります。「アイルランド自由国」という名前は、まだイギリス連邦の一部であった過去を思い起こさせるものでした。

 

そこで完全な独立を達成した新たなアイルランドのスタートを示すため、その名前をアイルランド語である「エール」に変更することが決定し、アイルランドが完全に独立した国家であることを明確にし、その独自性と誇りを示すことができたのです。

 

また、アイルランド語を通じて自国の文化と伝統を再認識し、保護する動きもこの名前の変更を後押ししました。そのため、国名の変更は、言語、文化、政治の視点から見て、アイルランドのナショナルアイデンティティと独立心を強調するための重要なステップだったと言えるんですね。

 

ただし、外交上では英語名の「Ireland」もしくは「Republic of Ireland(アイルランド共和国)」が主に使用されています。