イタリアの有名な動物・植物一覧

イタリアに生育する動植物について情報をまとめています。

 

 

イタリアの動物

イタリアの動物相は非常に多様です。ヨーロッパ動物相の三分の一にあたる57,000種以上が生息し、うち4777種を固有種が占めています。アフリカ・アジア・ヨーロッパが交差する場所に位置し、温暖な気候、変化に富む地質構造など、諸々の自然条件が、この国特有の生物多様性を生み出しています。

 

山岳地帯の動物

イタリアの大部分を占めている山岳地帯(半島を縦断しているアペニン山脈、北部国境を成すアルプス山脈など)にはキツネ、ワシ、オオカミ、イノシシ、シカ、ハリネズミなど様々な動物が生息しています。

 

アイベックス

アイベックスはアルプス山脈に生息するヤギの仲間です。ハサミ状の爪と肉球を器用に使い、急な傾斜や険しい岩場も巧みに移動することができます。雌雄ともに角をもちますが、とくにオスの角は大きく後方に湾曲した三日月型の形をしており非常に印象的です。この角は年々成長し、大きなものだと長さ1mを超え、重さ10kgにも達します。

 

昔はアイベックスの角が病に効くとして狩猟の対象にされ、乱獲により絶滅が危惧されるまで個体数が減ってしまいました。(スイスでは19世紀に絶滅)現在イタリアではグラン・パラディーソ国立公園を中心に厳重に保護されています。

 

イタリア北部のチンジーノダムの壁(ほぼ垂直)を自在に移動するロッククライマー顔負けのアイベックス。壁の表面の塩を舐めています。

 

森林の動物

イタリアの森林は、古代ローマ時代以降の都市化にともない、大部分が伐採されてしまいました。しかし一部にはまだ豊かな森林が残り、生物多様性の要として重要視されており、中でもイタリア中部(心臓部)の内陸州ウンブリア州は「緑のハート」と呼ばれるほど、豊かな緑に覆われた地域として知られます。

 

昆虫

中部(ウンブリア州、ラツィオ州など)の森林地帯を中心に、イタリアには37303種もの昆虫種が生息しています。特にアゲハチョウ科、シロチョウ科、シジミチョウ科、タテハチョウ科などチョウ目の豊富さで知られ、イタリアではおよそ290種もの蝶の生息が確認されています。

 

ちなみに蝶はイタリア語でファルファーラ(farfalla)といい、イタリア人の8割が信仰するキリスト教vにおいて「復活の象徴」とされています。

 

イタリア半島は、アフリカ大陸とヨーロッパ大陸を結ぶ「自然の架け橋」です。アフリカでの越冬前に、数百万羽の渡り鳥がイタリアの森林や湿地帯(ポー川デルタが有名)で羽根を休めており、温和で食料となる昆虫が豊富なため絶好の繁殖地となっています。

 

ただその一方で、ハンターによる渡り鳥の密猟も問題になっており、犠牲になる野鳥の数はヨーロッパ最多の500万羽以上といわれています。森林警察(※1)と自然保護団体が連携し、パトロールや罠の撤去に努めていますが、根本的な解決には到っていないようです。

 

※1…正式名称は森林・環境・農業保護隊(Comando unita per la tutela forestale, ambientale e agroalimentare)。野生生物や森林保護を目的に創設された、国家警察カラビニエリの一部署です。

 

海の動物

イタリア本土とシチリア島の間のメッシーナ海峡は、イタリアをとりまく海の中でも、特に生物多様性に秀でた海域です。その要因は、激しい渦と海流の強烈な流れにより、水質が常に清潔に保たれ、深海深くまで栄養が行き届く為です。また海峡はマグロの回遊ルートであり、マグロ漁の一大拠点として知られます。マグロ料理はシチリア料理の定番メニューです。

 

イタリアの植物

イタリアの植生は、気候が異なる南部と北部で違いが顕著です。またおなじ地域でも山岳地帯、平原、沿岸部など地理的条件により植生に変化がみられます。

 

南部・諸島部の植生

地中海性気候が支配的なイタリア南部や諸島部では、オリーブ、オレンジ、レモン、イチジクといった乾燥気候にみられる常緑植物が多くみられます。

 

またイタリア最大の国立公園「ポリリーノ国立公園」には、モミ、ブナ、カエデ、カシ、栗の木など多様な樹種が植生しており、春にはスミレ、リンドウ、ブルーベル、夏には赤ユリ、薬用植物、芳香植物といったように季節によって異なる植物も観察できます。

 

北部の植生

大陸性気候よりのイタリア北部では、カラマツ、松、モミといった針葉樹林、オーク、ブナ、クリといったと広葉樹林がみられます。また北部国境をなすアルプス山脈では、麓と高地では全く異なる植生が見られます。

 

アルプス麓の植生
コルク、オリーブ、ヒノキ、セイヨウバクチノキ(桜の仲間)、ブナ、カラマツなど

 

アルプス高地の植生
ツツジ、ハンノキ、リンドウ、ヒルガオなど

 

ポー川流域の植生

ポー川はイタリア北部を流れる、国内最長の河川です。この流域はかつて豊かな森林で覆われていましたが、近代化にともないほとんどが伐採されました。現在でも水が多い場所ではポプラが、乾燥した場所ではスゲがわずかに見られますが、植生として圧倒的に多いのは栽培作物である小麦、トウモロコシ、ジャガイモ、米、およびテンサイなどです。

 

地中海沿岸地域の植生

地中海沿岸地域では、固有種を含め多種多様な植物の植生が確認されています。とくに地中海性気候における生育に適したハーブ(保存料や香料、薬などに利用される植物)の植生で有名で、ラベンダー、バジル、ローズマリー、ミント、コリアンダー、オリーブ、サフラン、パセリなどなど、実に多種多様なハーブが確認されています。

 

イタリアではバジルから作る「ペスト・ジェノヴェーゼ」、パセリから作る「サルサヴェルデ」などのソースが人気です。

 

アペニン山脈の植生

イタリア半島を北から南に縦断しているアペニン山脈のふもとには、オーク、オリーブ、キョウチクトウ、イナゴマメ、アレッポマツなどの樹種が見られます。高地へいくほど森林から牧草地へと変わっていき、色とりどりの花もみられるようになります。

 

さらにある程度の高さになると砂漠に近い環境となり、植生がほとんど見られない不毛の地となっていきます。