アメリカ独立戦争(アメリカ独立革命)とフランス革命の相違点や共通点を教えてください。
アメリカ独立革命もフランス革命も、どちらも近代社会へ移る転機となった代表的な市民革命です。
共通点
フランス革命というのは、ルイ16世が財政を度外視してアメリカ独立戦争に軍事金を注ぎ込んだ結果、生活が圧迫され、激怒した民衆により引き起こされました。
そのため両者は切っても切り離せない深い関係にあり、
- 啓蒙思想の影響
- 抑圧(専制主義)からの解放
- 打倒王制(共和政の樹立)
- 政教分離
- 自由・平等・基本的人権がうたわれた
- 発端が課税
など多くの共通点がみられます。
違い
その一方で
- アメリカ独立革命はロックの影響、フランス革命はルソーの影響
- フランス革命では王がギロチンにかけられた
- フランス革命後、ナポレオンが独裁を始めたため、アメリカと違って共和政は成立せず、王政が維持された
- アメリカには「打倒イギリス」という利害の一致で少なくないヨーロッパ諸国が味方してくれた一方で、フランスは革命の拡大を恐れた多くのヨーロッパ絶対王政諸国を敵に回した。(→対仏大同盟の結成)
- アメリカ独立革命はフランス革命と異なり、「独立」と「建国」という二重の課題を持っていた。
などの相違点もみられるなど、どちらも社会の根底を変革したとはいえ、単純に同じ「市民革命」の枠組みでは語れないことも留意しておきましょう。
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アメリカ独立戦争の火蓋を切ったレキシントンの戦い(左)と、フランス革命の火蓋を切ったバスティーユ襲撃(右)