ナポリ王国はかつて現在のナポリを拠点に南イタリア一帯に勢力を築いていた国家です。1282年にシチリア王国が分裂した際に半島側の領土として成立し、1816年にシチリア王国と統合し両シチリア王国となるまで存続しました。
ナポリ王国は、もともと12世紀にノルマン人により建設されたシチリア王国の領土の一部でした。シチリア王国はシチリア島とイタリア半島の南部で構成されていましたが、1282年の反乱「シチリアの晩鐘」により、アラゴン家の支配するシチリア島とアンジュー家の支配する半島南部に国土が分裂します。このうちアンジュー家の支配するイタリア半島南部が、中心都市ナポリの名をとってナポリ王国と呼ばれるようになったのです。
ナポリ王国は、フランス革命期の1806年にはナポレオン1世に征服されますが、ナポレオン失脚後はウィーン会議にてスペイン・ブルボン朝の支配下に入りました。さらに1816年にはシチリアとの統合により両シチリア王国が成立し、ナポリ王国という単独の国家は消滅したことになります。なおこの両シチリア王国もイタリア統一運動の中で、1860年ガリバルディに占領されたことで滅亡しています。
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