ウィーンのコーヒー文化の歴史

ウィーンのコーヒー文化の歴史

 

ウィーンのあちこちにあるおしゃれなカフェ。そこに入ると何種類ものコーヒーが提供されていることに驚きます。

 

日本のカフェで目にするウィーナーコーヒーというと、ホイップクリームが乗っているコーヒーですが、現地ではそれはほんの一メニューにしかすぎないのです。

 

 

コーヒーの到来

コーヒーへの特別な愛着を感じられるウィーンの人々ですが、コーヒーが市井の人々に飲まれるようになったきっかけは、17世紀に起こった第二次ウィーン包囲に遡ります。

 

この時攻め込んできたトルコ軍がウィーンを包囲するのですが、オーストリア軍の必死の抵抗によりウィーンの陥落は免れました。

 

撤退したトルコ軍が大量に置いていったコーヒー豆を戦利品として所望した軍人がカフェを開き、市民にコーヒーを広めたと言われています。

 

この話は伝説的な言い伝えとして残っていますが、トルコではコーヒーを飲む習慣が古くからあったため、少なくとも、過去の数多くのトルコとの接触をきっかけにウィーンにコーヒーが持ち込まれたと言えそうです。

 

カフェ文化の発達

コーヒー豆の流入により、ウィーンには数多くのカフェが開店しました。

 

「美しき青きドナウ」で有名なヨハンシュトラウス親子がカフェで新曲を発表したり、誰もが知っているモーツアルトやベートーヴェンもカフェで演奏をしたりと、カフェは文化の発信地となっていきました。

 

音楽だけでなく、政治談議や文学談義など、様々な文化人がカフェで交流を広げました。

 

カフェ文化のユネスコ登録

そんなウィーンに根付くコーヒー文化ですが、2011年に転機を迎えます。独自のカフェ文化がユネスコの世界無形文化遺産に登録されたのです。

 

ウィーンでは、自分のカフェを無形文化遺産として登録するにはいくつかの条件を満たす必要があります。

 

それぞれの条件が点数化されていて、すべて満たさずとも一定の点数を超えると、文化遺産としてお店を宣伝してよいということになります。

 

その条件とは

 

  • テーブルが石製であること。
  • 椅子が曲木椅子であること。(木をまげて作った緩やかな曲線の背もたれを持つ椅子)
  • 新聞が何種類も置いてあること。
  • 角地に位置していること。

 

などなど。他にもたくさんの項目があり、そのすべてがウィーンのカフェを特徴づける要素なのです。330年前にトルコから伝来したコーヒー文化は、ウィーンを象徴するカフェ文化を築いたのです。