オーストリア料理の特徴

オーストリア料理の特徴

オーストリアの食文化はハンガリーやチェコといったかつてのオーストリア帝国支配地域、ドイツやイタリアなどの影響を受けています。そしてオーストリア料理にはそれぞれの国から伝わった料理に独自の味付けや食材が加わり、変化していったものが多いです。ドイツ料理に似ていますが、違う点としてはオーストリア料理には東ヨーロッパの食文化の影響が強いという点です。

 

 

オーストリア料理の特徴

 

「オーストリア料理」と聞いて、皆さんはどんなイメージを持つでしょうか?

 

オーストリアは日本人にとっては意外と馴染みの薄い国かもしれませんが、1804年まで名門王家ハプスブルグ家が実権を持つ神聖ローマ帝国の盟主として強大な範囲を領土としていました。

 

ハプスブルグ家自体もスペインやフランスといったヨーロッパ各地の名家が集まった家であったことに加え、領地は現在のドイツやイタリアの一部、そして東欧のハンガリーやチェコにも及び、ヨーロッパ文化が混合した国であったと言えます。

 

そのため、オーストリア料理というジャンルで括るのは難しく、主にその多文化の終着点である首都ウィーンで食べられていた料理として、ウィーン料理と呼ぶ場合もあるほどです。前述したオーストリアの複雑な歴史によって、料理も様々なルーツを持っています。

 

また、各地のルーツを持つだけでなく、華やかな宮廷料理としても独自に発展した側面もあります。

 

最も有名なオーストリア料理としてウィーン風カツレツ(ウィーナーシュニッツェル)があります。これは当時支配が及んでいたミラノから入ってきた料理で、ミラノ風カツレツは日本でも食べられるミラノご当地料理の一つです。

 

ウィーン風はレモンバターソース、ミラノ風はトマトソースをかけるという違いがありますが、豚肉を叩いて薄く伸ばしたフライという点で非常に似ています。

 

また、宮廷料理としての一面はオリジナルのお菓子に特に色濃く表されています。

 

例えば有名なお菓子としてザッハートルテ。これはハプスブルグ家に宰相として仕えていたメッテルニヒが、自分の料理人に宮廷のレセプション用に作らせたケーキと言われています。その際の若き料理人の名がフランツ・ザッハーであったことからその名がついたそうです。

 

ウィーンの菓子文化は当時最先端であり、フランスの華やかなお菓子もウィーンの宮廷菓子に源流があるということもあると言われています。

 

その一例として、クロワッサンがあります。もともとキプフェルという三日月形のパンがウィーンにあり、それをハプスブルグ家出身のマリーアントワネットがフランスに嫁いだ際に持ち込み、パリのパン職人によって形を変えて現在のクロワッサンになったそうです。

 

このようにオーストリア料理はヨーロッパ各地の文化が交流し、それが融合された料理であると同時に歴史の一時代を彩った豪華な宮廷料理の一面も持つ、まさにヨーロッパ史と共に歩んできた料理と言えるでしょう。

 

食文化の歴史

ひとくくりにオーストリア料理といっても、かつてのオーストリア帝国には様々な民族が住んでいて、それぞれが独自の食文化・調理法を持っていました。そのためオーストリアの歴史を色濃く反映した料理のことは「ウィーン料理」と呼ぶ場合もあります。ウィーンというのは文化の十字路と言える場所に位置しており、ローマ人やフンマ族、アヴァール人らの持つ様々な食文化が流入してきたのです。
さらにバーベンベルク家の統治下で商業都市として急速に発展していき、コショウやショウガといった香辛料がもたらされ食文化も変化していきました。

 

オーストリア料理の種類

肉料理

オーストリアでは牛肉料理が好まれています。ターフェルシュピッツという牛肉の煮込み、シュニッツェルという子牛のカツレツなどはオーストリアを代表する肉料理です。また豚肉の消費も多く、一般家庭を中心にベーコンやハム、サラミにして食べられています。

 

魚料理

オーストリアでは魚料理はあまり食卓に出ることはありません。かつてのオーストリアでは南北から大量の魚が輸入されていましたが、じょじょにそれも少なくなりました。またオーストリアは内陸の国ですので海水魚よりも淡水魚の方がよく消費され、とくに鯉料理が好まれています。

 

野菜

冬の厳しい寒さに備えて、豆のように日持ちしやすい野菜が好まれます。またジャガイモの消費が多く、肉料理の付け合わせやポテトサラダに使われるのが一般的です。

 

パン

オーストリアではパンは大量に消費されており、朝昼夕にかかわらず主食として食べられています。以下はオーストリアで主に食べられるパンです。

 

キプフェル (Kipferl)
三日月型のパンです。オーストリアでは主にバターを使わず粉、塩、水などの基本的な材料だけでつくるシンプルなキプフェルが食べられます。菓子パンにするならヘーゼルナッツパウダーや薄力粉に卵・牛乳・砂糖などを入れ生地をつくり、それを三日月型にして焼いてつくります。中に詰め物を入れる場合もありおかず形なら調理パンにもなります。

 

※ちなみにこのキプフェルはマリーアントワネットによってフランスに伝えられ、クロワッサンの原型になったと言われています。
カイザー・ゼンメル
ドイツやオーストリアで作られる小型のパンです。丸形で表面に5本の切れ目が入っているのが特徴です。ゴマやケシのみがまぶされています。このカイザーゼンメルにソーセージの薄切り、スライスチーズやピクルスを挟んだサンドイッチをヴルストゼンメル (Wurstsemmel)といいます。他にはライ麦や雑穀パンが食べられます。これらは食物繊維が豊富で健康にも良いのです。

 

肉料理

オーストリアというのは陸に囲まれた海がない国なので、魚の消費が少なく、その代わり肉がよく消費されます。最近は健康志向で魚を食べる人が増えてきていますが、やはりまだまだ肉中心。肉しか食べないという人も多いです。

 

牛肉料理
ウィーンではターフェルシュピッツという牛肉の煮込み料理が好まれています。オーストリア帝国の皇帝フランツ・ヨーゼフ1世が好んだ料理で、ウィーンの高級料理の代表的存在です。また子牛のカツレツ「ヴィーナー・シュニッツェル」(ウィーン風子牛のヒレ肉)」もオーストリアの伝統的な料理です。子牛ではなく鶏肉や豚肉で作られる場合もあります。

 

豚肉料理
オーストリアで最も多く消費されるのが豚肉です。安価で加工が容易な豚肉は大量生産が可能なので、一般家庭に好まれます。ベーコンやサラミ、ハムとして食べられることが多いですね。また豚の内臓に玉葱やニンニク、柔らかくしたパンなどを挽肉上にしてオーブンで焼いたオーフェンレバーという料理も人気です。

 

魚料理

オーストリアの食文化は肉料理が中心で魚の消費量は比較的少なめです。スーパーにも魚があまり置いていないですね。オーストリア=ハンガリー帝国時代は現在の海沿いの国も領土でしたので、アドリア海などで獲れた魚が大量に消費されていたのですが、現在のオーストリアは内陸の国になって海がないのですよね。日本のように魚食が当たり前という環境ではないのです。

 

淡水魚の消費がメイン
オーストリアでは海水魚よりも鯉やイワナといった淡水魚の方が消費が多いです。オーストリアは海がない変わりにアルプスから流れる綺麗な川や湖を持っているので、淡水魚はたくさん獲れるのです。

 

オーストリアの代表的な魚料理は「Wiener ausgebak-kener Karpfen」です。これは鯉の肝・白子・玉葱のみじん切り・ほぐしたパン・卵を混ぜ合わせたものを鯉に詰めて赤ワインで煮込んだ料理です。

 

海水魚が食べたい場合
オーストリアにいってどうしても海鮮系が食べたくなったら、レストランに行けば数は少ないですが食べられますしスーパーにも品数は少ないですが売られています。いずれにせよ淡水魚よりも高額です。

 

 

 

飲み物

コーヒー
オーストリアで飲み物といったらまずコレでしょう。オーストリアではアルプスから湧き出る新鮮なお水で美味しいコーヒーを飲むことができます。特にウィーンには多くのコーヒーハウスがあり40種類以上のコーヒーが置いてあります。(大きく分けるとモカ・シュヴァルツァー・ブラウナー・カプツィーナー・メランジェに大別されます)

 

ウィンナ・コーヒー
またオーストリアではホイップクリームが好まれ、コーヒーに乗せてウィンナ・コーヒーにすることもあります。ウィンナ・コーヒーはオーストリア発祥のコーヒーの飲み方です。ウィンナとはウィーン風のという意味です。

 

ワイン
オーストリアではワインも大量に消費されます。とくに白ワインが有名ですね。グンポルスキルヘナー(Gumpoldskirchener)はウィーン近郊のグンポルスキルヒェンで醸造される流通量が多い有名な白ワインです。

 


オーストリアというのは世界でも数少ない水道水が安全に飲める国なので水もたくさん飲まれます。ミネラルウォーターは日本並みの安さです。コーヒーが美味しいのも水の品質の高さが関係しているのは言うまでもありません。

 

お菓子

オーストリアではお菓子作りの文化が根付いており、ウィーンのお菓子は世界的に評価されていますウィーン市民はお菓子が大好きで、レストランで注文する時にもまずお菓子から注文するほどだとか。またオーストリア市民はホイップクリームを好み、お菓子につけてよく消費します。
オーストリアのケーキが少しパサついているのは、ホイップクリームを絡めて食べることが前提に作られているからなんです。ウィーンのお菓子といえばなんといってもメールシュパイゼン(Mehlspeisen)、つまり小麦粉で作られたデザートが美味しく、世界的にも高い評価を受けています。

 

シュトゥルーデル

りんごやチェリーなどの詰め物を小麦粉で何層にも巻いた甘いお菓子です。ホイップクリームに絡めて食べることが多いです。なお詰め物を何にするかで味は無数に生まれます。とくにりんごを巻いたシュトゥルーデルは「アプフェルシュトゥルーデル」と呼ばれオーストリアの名物的デザートとして知られています。(起源はハンガリーだそうです)シュトゥルーデルはオーストリアにいったら是非食べていて欲しいお菓子の一つですね。ちなみに詰め物を果物ではなく肉や野菜にしてメインディッシュとして扱うこともあります。

 

パラチンタ

ジャムをクレープ生地で包んだシンプルなお菓子です。「パラチンタ」の語源は「プラケンタ」で、ラテン語で「平たいケーキ」を意味しています。何を挟むかでバリエーションは無数に生まれます。ジャムやあんこを挟んでデザートにするもよし、肉や野菜を挟んで主食にするもよしです。

 

その他伝統料理

デザート・ルーラード(Roulade)
パンノニア料理と言われるブルゲンラント州の伝統料理で、ハンガリーとクロアチア系住民の影響が強くでているのが特徴です。パラチンケなどを巻きレーズンとケシの種を詰めて作ります。

 

カスヌードルン(Kasnudel)
小麦粉の生地にアンを詰めて茹でるケルンテルン州に伝わる伝統料理です。アンにハムやベーコン、マッシュルームなどを詰めてメインディッシュにするのも、果物を詰めてデザートにするも自由です。

 

ザルツブルガーノッケルン(Salzburger Nockerln)
ザルツブルク州に伝わる伝統料理です。大きなグラタン皿にメレンゲとカスタードクリームをアルプスがごとき盛りオーブンで加熱してつくる巨大デザートです。ノッケルンとは方言で山という意味。この名前は見た目がアルプスのように見えることに由来しているのです。

 

バウエルンシュペック(Bauernspeck)
チロル州で古くから食べられているベーコンです。クネーデルという団子料理に使われることが多いです。

 

 

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