啓蒙専制君主の目的とは?

啓蒙専制君主の目的

啓蒙専制君主の目的は、啓蒙思想の理念を利用して国家を近代化し、自らの統治を強化することにあった。改革は民衆の幸福向上よりも、軍事力や経済力を高めるための手段として行われた。本ページでは、このあたりの歴史的背景と後世への影響について詳しく掘り下げていく。

歴代の啓蒙専制君主は何を目的としていたのか

啓蒙専制君主の目的って何だったのですか?

啓蒙専制君主というのは、簡単にいえば啓蒙思想を支持する絶対君主のことです。王権神授説に代わる統治理念として、18世紀後半の絶対王政諸国で


  • プロイセンのフリードリヒ2世
  • オーストリアマリア=テレジア、ヨーゼフ2世
  • ロシアエカチェリーナ2世


などの啓蒙専制君主が誕生しました。


中でもフリードリヒ2世は「国家は国民の僕、君主は国家第一の僕」と位置づけ、貧民救済・検閲禁止・検閲廃止・信教の自由拡大など啓蒙主義的な改革を実行したことで、啓蒙専制君主の典型とされますね。


啓蒙専制君主の典型とされるプロイセン王フリードリヒ2世(在位:1740 - 1786年)


啓蒙専制君主の目的

啓蒙専制君主の目的は「上からの近代化」にありました。当時、産業革命の進展とともに市民社会が育ち、絶対王政が崩壊に向かう中、地方の有力者が君主に反抗するようになっていました。


これに対抗するために多数の市民に恩恵を与え、人気取りをすることで、権力を維持し、富国強兵および近代化を成し遂げようとしたのですね。王自ら積極的に改革を実行することで、自らの権威を高めるだけでなく、急進派の台頭を防ぐという狙いもあったのです。