啓蒙専制君主というのは、簡単にいえば啓蒙思想を支持する絶対君主のことです。王権神授説に代わる統治理念として、18世紀後半の絶対王政諸国で
などの啓蒙専制君主が誕生しました。
中でもフリードリヒ2世は「国家は国民の僕、君主は国家第一の僕」と位置づけ、貧民救済・検閲禁止・検閲廃止・信教の自由拡大など啓蒙主義的な改革を実行したことで、啓蒙専制君主の典型とされますね。
啓蒙専制君主の典型とされるプロイセン王フリードリヒ2世(在位:1740 - 1786年)
啓蒙専制君主の目的は「上からの近代化」にありました。当時、産業革命の進展とともに市民社会が育ち、絶対王政が崩壊に向かう中、地方の有力者が君主に反抗するようになっていました。
これに対抗するために多数の市民に恩恵を与え、人気取りをすることで、権力を維持し、富国強兵および近代化を成し遂げようとしたのですね。王自ら積極的に改革を実行することで、自らの権威を高めるだけでなく、急進派の台頭を防ぐという狙いもあったのです。
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