ブルートゥスとは何をした人?〜カエサル暗殺の実行者〜

『カエサルの亡霊とブルートゥス』/リチャード・ウェストール画

 

ブルートゥスの基本情報

 

本名:マルクス・ユニウス・ブルトゥス
渾名:小ブルトゥス
身分:ノビレス
誕生:前85年ローマ
死没:前42年マケドニア
指揮した戦争:フィリッピの戦い
関係した事件:カエサル暗殺

 

ブルートゥス(前85年 - 前42年)は共和政ローマ末期の政治家で、カエサル暗殺の首謀者として知られる人物です。もともとカエサルとは親しくしていましたが、しだいに権力を大きくし共和政の伝統を揺るがす彼を脅威と判断し、前44年カッシウスらと組み暗殺を実行しました。その後ローマはカエサル派と反カエサル派の内乱に陥り、ブルートゥスはアントニウス、オクタウィアヌスらの勢力に敗れ、自殺。なおウィリアム・シェイクスピアの演劇で書かれたカエサルの死に際の「ブルータス、お前もか」という言葉はあまりに有名で、この言葉自体はシェイクスピアの創作ですが、実際カエサルは遺言で、ブルートゥスをオクタウィアヌスに次ぐ後継者に指名するほど彼を信頼していたので、彼が暗殺に加わったことは相当に予想外だったことは確かでしょう。

 

 

ブルートゥスの経歴

前85年 誕生

共和政創始者の末裔で、カプアの創設者・大ブルトゥスとセルウィリアの子としてローマに生まれました。スッラ率いる閥族派とマリウス率いる民衆派の内乱が繰り広げられている時代でした。

 

前49年 ローマ内戦

ローマ内戦が始まるとブルートゥスはポンペイウス軍の将官として参戦。ポンペイウス派は敗北するものの、ブルートゥスはカエサルから許され、ガリア総督に任命されています。

 

前44年 カエサル暗殺

内戦終結後、日増しに独裁色を強めていくカエサルに対し、元老院から共和政の終焉を危惧する声が高まり、ついに暗殺計画に発展。当初ブルートゥスは計画に参加していませんでしたが、周囲から促され、最終的には首謀者の一人になっています。

 

前42年 フィリッピの戦いで戦死

カエサル暗殺後、ローマはカエサルの意思を継承するオクタウィアヌス派と閥族派の内戦に突入。当然ブルートゥスは討伐の対象となり、フィリッピの戦いで敗れ戦死しました。