ルネサンスがヨーロッパ史にもたらした影響とは?

 

 

とは、14世紀から16世紀にかけてヨーロッパで起こった古典文化(古代ギリシア・ローマ文化)復興運動のことです。まず東西交易により繁栄したイタリア諸都市で発祥し、やがてその運動の中心は西ヨーロッパへと移行していきました。ここではこの社会現象がヨーロッパ世界にどのような影響をおよぼしたのか解説していきます。

 

 

ルネサンスが起こった理由

中世というのはキリスト教全盛の時代。キリスト教の拡大はヨーロッパの「共同体」としての側面を強めていき、教会の権威を象徴するありとあらゆるものがこの時代に作られました。今のヨーロッパ世界を理解する上で欠かせない時代といえます。

 

しかしその一方で、この時代はとにかく神中心の考え方で、未知の病気や事件、自然現象、天体現象などあらゆることが「神がお決めになったこと」と処理されていました。

 

このような宗教的な枠組みに人々が窮屈さを感じるようになったことから、「ヒューマニズム (人文主義)」 と「個性」を尊重する自由な市民文化・・・すなわち古代ギリシア・ローマの古典文化を「復興」させようという風潮が強まっていったのです。

 

ルネサンスの影響

ギリシア神話モチーフの作品が増えた

ヒューマニズムを尊重する運動の始まりとともに、それまでのキリスト教一色から「異教」のギリシア神話をモチーフにした芸術作品が多数登場するようになります。

 

大航海時代に繋がった

天体の運行や自然現象を「神の仕業」で片づけず、科学的な視点で考察するようになりました。このことで天文学・地理学の発達や羅針盤を始め様々な発明品の誕生に繋がり、世界史が本格始動する大航海時代を準備することになります。

 

宗教改革に繋がった

大航海時代の開始により、の中心が神聖ローマ帝国へ移ると、聖書研究を通じて宗教改革へと繋がっていきました。これを皮切りに各地で宗教紛争が勃発するようになり、ヨーロッパの勢力図が大きく塗り替えられていくことになります。

 

時代が近世へと移った

上述した通りという社会現象がヨーロッパに与えた影響は絶大で、が起こる前と後ではヨーロッパ世界はまるで別世界といえます。そのためはヨーロッパ史の時代区分を分ける重要な画期とされ、以前のヨーロッパ世界を中世、それ以降は近世として区別されてます。