1502年に描かれたポルトガルによる「地理上の発見」を示すカンティーノ平面天球図
約800年続いたレコンキスタはグラナダの陥落で幕を閉じますが、スペインからイスラム勢力が一掃された後でも、イスラム建物、イスラム音楽、アラビア語など、すでに根付いたイスラム文化の影響は色濃く残りました。そしてイスラム支配時代に蓄積された知識や技術が大航海時代への開幕へと大きく関係しているのです。
ローマ帝国分裂後に混迷を極めるヨーロッパの横で、イスラム教国は安定政権のもと発展著しく、高度な文明を有していました。そのため、レコンキスタの後でも、イスラム教徒にもたらされた知識や造船技術などの正の遺産は大いに活用し、大西洋航路の開拓を進めていきました。
キリスト教の布教活動や豊富な資源の眠る新天地、インドの香辛料を求め、探検家が次々と航海に繰り出す、大航海時代が始まりました。
大航海時代はレコンキスタの一環として、ポルトガルがアフリカ大陸に進出したことから始まりました。それまでヨーロッパの田舎に過ぎなかったポルトガルが、新天地開拓により莫大な利益をあげ、ヨーロッパの主役として躍り出るようになったのは
などの条件が揃っていたことが大きな要因といえるでしょう。
大航海時代の先駆けとなったポルトガル・スペイン両国は、トルデシリャス条約(1494年)で世界の富を勝手に二分してしまうほど、すさまじい勢いをもっていたのです。
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