アメリゴ・ヴェスプッチとは何をした人?~アメリカ大陸を新大陸と証明~

アメリゴ・ヴェスプッチとは

アメリゴ・ヴェスプッチは15~16世紀のイタリア人探検家であり航海者であった。南米大陸がアジアではなく新大陸であることを証明したことで知られる。本ページでは、このあたりのバックグラウンドと後世への影響について詳しく掘り下げていく。

アメリゴ・ヴェスプッチとは何をした人?~アメリカ大陸を新大陸と証明~


アメリゴ・ヴェスプッチの基本情報

 

ラテン名:アメリクス
誕生:1454年フィレンツェ
死没:1512年スペイン
後援:ポルトガル王マヌエル1世
著書:『新大陸』
功績:アメリカ大陸を新大陸と証明


アメリゴ・ヴェスプッチ(1454年 - 1512年)はイタリア・フィレンツェ出身の商人で、アメリカがアジアともヨーロッパとも異なる「新大陸」であると証明した功績で知られています。


アメリカ大陸の発見者といえばコロンブスが有名ですが、彼は自分が到達した土地をアジアだと勘違いしていました。


しかしアメリゴは、ポルトガル王の命を受け、ブラジルなど南アメリカを探検し、ここがアジアではなく新しい大陸であると確信。著書『新大陸』の中で新大陸説を提唱したのです。そしてこの説を支持した地誌学者のワルトゼーミュラーが、アメリゴのラテン名「アメリクス」にちなみ新大陸を「アメリカ」と名付けました。


アメリゴ・ヴェスプッチの功績

アメリゴ・ヴェスプッチの功績は、ヨーロッパの西に南北に横たわる大陸が、アジアとは異なる新大陸であると証明したことです。1497年から1514年にかけての4度の航海で、南米大陸沿岸をマゼラン海峡近くまで詳しく調査。


『四度の航海』『新世界』を刊行し、自分が到達した土地はアジアの一部ではなく、新大陸であるとする新大陸説を唱えたのです。


この説を支持した地理学者マルティン・ワルトゼーミュラーは、『世界秩序』の中で、アメリゴ・ヴェスプッチの功績を称えて、その新大陸を彼の名にちなみアメリカと名づけることを提唱し、以来それが定着していきました。またアメリゴはその功績から1508年には最高航海士の称号を与えられています。


一方で、アメリゴの功績は嘘であるとする説もあります。これは彼の公開記録が事実であるなら、彼はコロンブスよりも先にアメリカ大陸に到達していることになりますが、スペイン・ポルトガルの公式記録に、そのような記載は確認できないためです。『インディアスの破壊についての簡潔な報告』で有名なラス・カサスはアメリゴのアメリカ発見をでっちあげだと批判しています。