独ソ不可侵条約の風刺画解説

ナチスとソ連の同盟を皮肉る風刺画

 

上の画像はナチス・ドイツとソビエト連邦の間で結ばれた独ソ不可侵条約を風刺するために作られた風刺画です。「ハネムーンはいつまで続く?」と題され、1939年10月にアメリカで発表されました。

 

調べた限り作者は不明ですが、風刺画としての意図は明確です。見ての通りアドルフ・ヒトラーとヨシフ・スターリンが結婚式の衣装を着ており、「不倶戴天の敵」ともいわれた二人が急速に接近したことを、「結婚する」という形で表現しているのです。

 

そしてタイトルの「ハネムーンはいつまで続く?」というのは、この「蜜月」が所詮は一時的かつ偽善的な外交関係に過ぎないであろうことを皮肉ったものだといえるでしょう。

 

実際その予測は当たっており、1939年に署名された独ソ不可侵条約は、表向きには両国間の攻撃を互いに否定するものでしたが、あくまでもポーランド侵攻のための戦術的な動きに過ぎず、1941年にドイツ側から破られることになるのです。

 

この作品は、当時の政治的な緊張と、世界的な影響を考慮に入れた上での、深いメッセージを持つ政治風刺の一例といえるでしょう。