重商主義政策がとられた時代(16?18世紀)、両国ともまだ絶対王政国家でしたが、イギリスは議会の力が強かったのでフランスほど王が絶対権力を行使できることはありませんでした。そのため、イギリスでは国民的重商主義、フランスでは絶対主義的重商主義が行われた、という違いがあります。
フランスで行われた重商主義は、コルベールというルイ14世の財務総監が提唱したことから「コルベール主義(コルベルティスム)」ともいわれ、絶対王権の確立により徹底した保護貿易・植民地拡大政策を推し進めていました。
ルイ14世の財務総監を務め、フランス重商主義を推し進めたコルベール(1619〜1683年)
「徹底した保護貿易・植民地拡大政策」はイギリスもやりましたが、イギリスの場合、これを主導したのは国民議会である、という違いが大きいのです。
イギリスでアダム・スミスのように自由貿易主義を唱える人が出てきたのも、議会を重視するイギリス独特の伝統が背景にあります。
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