ドイツ人

ドイツ人

 

『ヨーロッパ史入門|民族編』、このカテゴリーではドイツ人についての情報を紹介しています。ドイツ人とは、主に中央ヨーロッパに位置する連邦共和制国家、ドイツの国民を指すことが一般的です。そのルーツは古代ゲルマン人に遡り、その後の歴史を通じて、宗教改革や産業革命、世界大戦といった大きな歴史的変動を経験し、現在のドイツ人の特徴が形成されてきました。

 

 

 

 

定義と居住地域

ドイツ人は主にドイツ国内に居住していますが、ドイツ語を母語とする人々やドイツ系の血を引く人々も広義のドイツ人とされる場合があり、それも含めればその居住地域は世界中に広がっています。

 

民族性

ドイツ人は労働熱心で、時間厳守を重視するとされることが多いです。また、直接的なコミュニケーションスタイルも特徴の一つで、意見を率直に述べることを好む傾向があります。

 

言語

ドイツ人の母語はドイツ語です。ドイツ語はインド・ヨーロッパ語族のゲルマン語群に属し、欧州連合の公用語の一つでもあります。

 

宗教

ドイツではキリスト教が主要な宗教で、プロテスタントとカトリックの二大教派があります。また、無宗教者も多く、宗教的な多様性が見られます。

 

文化

音楽、文学、哲学など多くの分野で世界に影響を与えてきたドイツの文化は、ドイツ人のアイデンティティの一部です。特にクラシック音楽では、バッハモーツァルトベートーヴェンなどの名だたる作曲家を輩出しています。

 

歴史

ローマ帝国滅亡後、西ヨーロッパに勢力の基盤を築いたのはゲルマン民族のフランク人がフランク王国を建設。8世紀に同王国は3つに分裂し、このうち西フランク王国がフランスの、中フランク王国(後のイタリア王国)がイタリアの、東フランク王国がドイツの原型となりました。

 

東フランク王国は10世紀に多民族国家「神聖ローマ帝国」となり、以後、ドイツ地方(現在のドイツやオーストリアスイスなどを含む)に多数並立する領邦の連合体として、中部ヨーロッパに覇権を唱えるようになります。

 

ドイツ民族の定義は非常に難しいのですが、この神聖ローマ帝国の栄枯盛衰の中でドイツ語を含めたドイツ文化形成が進んだ、と解釈するのが一般的で、かつ現在に連なる文化の基礎が形成されたのは、15世紀から16世紀にかけてとわりと最近の話とされています。