ウラル山脈の地理的特徴|位置・国・川・最高峰・気候・歴史など

ウラル山脈はヨーロッパとアジアを地理的に分ける山脈です。長さ約2498km、平均標高900〜1200mで地形的には「長くなだらか」なのが特徴です。ヨーロッパの地理を理解する上でも重要な存在なのでその地理的特徴や歴史について簡単に抑えておきましょう。

 

 

ウラル山脈の名前の由来

ウラル山脈の「ウラル」とは、石の転がる山地が帯のように連なる様から、テュルク諸語で「帯」を意味するウラルからとったといわれています。

 

ウラル山脈の位置関係

ウラル山脈の走る場所(地図)

0_map_europe-asia.jpg

 

ウラル山脈は、ユーラシア大陸西端を南北に走っています。東経60度の経線に沿って、ロシアを南北に縦断しています。

 

ウラル山脈の東と西の違い

一般的にウラル山脈から西をヨーロッパ(緑色の部分)、東をアジア(黄色の部分)と区分します。ヨーロッパとアジアの境界については学術的な絶対基準がなく、種々議論はあるのですが、このウラル山脈が重要な基軸になるという立場は大体変わらないでしょう。

 

ウラル山脈に面する国

 

ロシアの国土は、地理的にヨーロッパ・アジア双方に属するわけですが、国家としてはヨーロッパに分類されます。ロシアは人種的にも文化的にもヨーロッパ寄りです。

 

 

ウラル山脈の構成

ウラル山脈は地理学上、南部ウラル、中部ウラル、北部ウラル、亜北極ウラル、北極ウラルに分けられます。

 

ナロードナヤ山(最高峰)

標高:1895m
所在地:ロシア・チュメニ州

 

ウラル山脈の資源

鉱物資源

ウラル山脈には、金・銀・プラチナ・石炭・ニッケルといった鉱物資源が豊富に眠っています。地形の侵食が進み、鉱物資源がむき出しになったことで、ロシア帝国やソビエト連邦が栄えるきっかけになりました。

 

森林

ウラル山脈は針葉樹林に覆われた山脈です。北西部にあるコミの原生林は動植物の豊かさで知られ、その生物多様性から世界自然遺産にも登録されています。一方で、山脈の地下に豊富な金鉱が眠っていることから、今後開発による環境破壊の懸念もされています。

 

河川

  • ウラル川
  • ヴォルガ川
  • カマ川
  • ベラヤ川
  • オビ川
  • エルティシ川
  • ペチョラ川

 

ウラル山脈の歴史

ウラル山脈は、2億年以上前の石炭紀後期に形成された、地球に現存する最古の山脈です。
この山脈が非常になだらかなのは、長年の侵食により地形が削られたのが原因です。
山脈の存在は古代ギリシア時代にはすでに知られており、ユーラシアを旅したアラブ人旅行者の旅行記に記録が残されています。