スペインで食べられるパンの種類と特徴

スペイン伝統の具入りパン料理「エンパナーダ」

 

スペインにおいてパンは朝・昼・晩の主食であり、ちぎってスープやソースを付けて食べることが好まれます。日本のパンに比べて、全体的に噛み応えがあるものが多く、かつ日本の総菜パンのように具入りのパンは多くないのが特徴です。

 

 

スペインのパンの特徴

スペインのパンは皮がしっかりとしていて、噛み応えのあるものがほとんどで、噛めば噛むほど小麦の味わいが感じられるのが売りです。

 

スペインのパンの種類

バラ

スペインのパン屋で人気の、太くて長いパンです。外はパリパリ、中は日本のフランスパンよりもやや硬めの食感です。マドリッドでは「ピストラ」呼ばれています。

 

バゲー

「バゲー」は日本で言うフランスパンで、スぺインのサンドイッチ「ボカディージョ」に使われます。

 

オガーサ

カスティーリャ地方の「オガーサ」は、どっしりとした伝統的な丸いパンです。身が詰まっていて食べ応えがあります。

 

チャパタ

スペインではイタリアのパン「チャパタ」も人気があります。弾力がありしっかりとした口当たりで「ボカディージョ」にも適しています。

 

パン・イングラテル

全粒粉のパン「パン・イングラテル」は、ゴマや麻の実、ひまわりの種、かぼちゃの種、ドライトマト、ドライオニオン、くるみなどのトッピングがなされています。

 

上であげた他にも、グルテンフリーのパンや塩を使っていないパンなど、健康志向に合わせたパンも販売されています。

 

 

スペインのパン料理

ボカディージョ

スペインで非常によく食べられているのが「ボカディージョ」というパン料理です。バゲーの間に生ハムやチーズ、トルティーヤ(スペイン風オムレツ)が挟まれています。小腹が空いたときの軽食として人気があります。

 

パン・コン・トマテ

パン・コン・トマテ」は、カタルーニャ地方を中心に良く食べられているパン料理です。パンにニンニクとトマトを塗り、そのうえからオリーブオイルと塩をふりかけたもので、スペイン家庭料理の定番となっています。

 

コカ

コカ」は「スペイン版のピザ」とも言われる総菜パンのようなものです。平たいパン生地の上に具が乗っていますが、一般的なピザとは違いチーズは使いません。スペイン東部発祥のパンで、もともとは無発酵パンを使っていたようですが、現在では発酵パンを使っています。

 

ミガス

スペインのパンは硬めの食感のため、翌日にはカチカチになってしまいます。そんなパンをおいしく食べるために考えられたのが「ミガス」と呼ばれるパン炒め料理です。

 

ミガスの作り方

カチカチになったパンを水でふやかし、にんにく、オリーブオイル、刻んだ野菜やチョリソーなどの具材と一緒に香ばしくなるまで長時間炒めて食べるのです。日本人的には「残り物のごはんでチャーハンを作る」感覚に近いですね。

 

「ミガス」のレシピは地方によって異なり、地中海沿岸やカスティーリャ・ラ・マンチャ州ではチョコレートやココア味の甘いタイプもあります。

 

「ミガス」とはスペイン語で「パンくず」を表し、スペイン中央部や西部の羊飼いたちが、硬くなったパンを美味しく食べるため、上述の調理法で工夫したのが始まりと言われています。