古代ローマの農業神を祭る儀式とは?

 

 

古代ローマ人は作物が育つ土壌を「テラ・マーテル(Terra Mater:母なる大地)」と呼び、ローマ神話の女神テラと同一視していました。しかし豊穣をつかさどる神といえば、テラよりもサトゥルヌスのが有名です。サトゥルヌスは「種をまく者」を意味し、ギリシア神話の神クロノスと同一視され、ギリシアからイタリアに移住したと考えられています。

 

サトゥルナリア祭

古代ローマでは、ユリウス暦で12月17日から12月23日まで、農業神サトゥルヌスに豊作を祈願する「サトゥルナリア祭(農業祭)」という儀式、もといお祭りが開催されていました。第二次ポエニ戦争で兵士を鼓舞するために催されたのが始まりで、祭りの期間に入ると盛大に宴会が開かれ、この期間だけは奴隷ですら身分差を気にせずバカ騒ぎすることができました。