ドイツ音楽の特徴と歴史

ドイツの音楽の歴史はオーストリアのものと非常に近く、厳密な区分については専門家の間でも意見が分かれています。それでここでは、おもに近代以降、ドイツ帝国が成立したころより後のドイツの音楽について、簡単にまとめています。

 

 

クラシック音楽

ドイツはバッハやパッヘルベルをはじめ、多くのクラシックの巨匠が生まれた地として有名です。19世紀には、ブラームスやメンデルスゾーン、ブルグミュラーなど、いまなお根強い人気を誇る作曲家たちが活躍していました。

 

また、日本の音楽家の瀧廉太郎は、ドイツで音楽を学び、日本での西洋音楽の普及や音楽教育に大きな功績を残しました。

 

名オーケストラ、ベルリン・フィルハーモニーが結成されたのも19世紀の終わりごろで、世界恐慌や世界大戦の時代を乗り越えていまもなおオーケストラ界のトップに君臨し続けています。

 

ナチス時代

ドイツ史最大の汚点ともいわれるナチス政権の時代には、音楽文化も悲惨な状態にありました。

 

ユダヤ系の音楽はもちろん、その他の多くのドイツ人以外の民族の音楽が「下劣な」ものとみなされて弾圧され、徹底的に排除されました。

 

一方で「偉大な」ドイツ人作曲家たちの作品は必要以上に称賛され、プロパガンダや、捕虜となった「非国民」たちの尊厳を可能な限り傷つけるために利用されました。

 

その胸の悪くなるような記録は負の遺産であると同時に、音楽の持つ、ひとの心を動かす力の大きさを証明するものともなっています。

 

有名な楽曲

ファラースレーベン『かえるのうた』

ファラースレーベンはドイツの童謡作家で、多くの作品が日本の童謡としても親しまれている。

 

ワーグナー:歌劇『タンホイザー』

ワーグナーは帝国色の強い歌劇作品を多く作曲し、のちにヒトラーが愛好したことでも知られる。タンホイザーもその一つで、ドイツのヴァルトブルク城を舞台にしている。