十字軍がヨーロッパにもたらした変化や影響

十字軍がヨーロッパにもたらした変化や影響を教えてください。

十字軍遠征がヨーロッパにもたらした影響には、経済的影響・政治的影響・文化的影響がありますが、これらは相互に関係しています。

 

経済的影響

十字軍遠征がきっかけで、地中海における海路が開かれ、東方貿易がさかんになりました。この東方貿易によりイタリアを中心とした地中海沿岸都市が栄え、古代ローマ帝国時代以来廃れていた「貨幣経済」が復活しました。

 

政治的影響

東方貿易による商業的繁栄と貨幣経済の浸透により、富を蓄えた有力市民および彼らの統治する都市国家が台頭し、自給自足経済を基礎とした封建制は意義をなくしていきます。さらには十字軍遠征の度重なる失敗も追い打ちをかけ、諸侯の没落とともに封建社会は崩壊に向かっていくのです。代わりに王権が伸長したことで、主権国家体制という新たな国際秩序が表出しています。

 

文化的影響

東方貿易により政治的・経済的にも繁栄したイタリア諸都市は、皇帝権や教皇権から都市国家として独立。都市国家では世俗権力の影響を受けない、自由な文化が栄えるようになり、神よりも人間性(ヒューマニズム)を重視する「ルネサンス」が花開くのです。

 

十字軍遠征そのものは失敗に終わり、むしろ略奪や虐殺など負の遺産が目立つのですが、ヨーロッパ史へのその後の影響を考えれば、十字軍を語らずしてヨーロッパ史を語るのは無理といっても過言ではありませんね。