トルコのコーヒー文化の特徴と歴史

トルコ・コーヒー

 

トルコでは、細かく挽いた豆を、長い柄のついた小鍋で煮立て、上ずみだけを飲む、トルコ・コーヒーが飲まれます。そんなコーヒーが飲めるコーヒーハウスは、コーヒーでリラックスしながらソフベット（団欒・談笑）を楽しめる究極の社交場であり、トルコにおいてコーヒーは人と人を繋ぐ重要な役割を持っているのです。

 

 

トルコで人気のソフベットとは

トルコではソフベット（団欒・談笑）という文化が根付いています。これは一つの話題をもとに社会的視点で話をしたり、一方でとんち話をしたり、多方向に繋げていく談笑のことで、これを行う絶好の場がコーヒーハウスとなっています。

 

世界遺産にも登録されるコーヒー文化

単なる嗜好品に留まらず、人々の生活に密着したトルコのコーヒー文化と伝統は、国際的に高く評価され、2013年、ユネスコの無形文化遺産にも登録されているのです。

 

トルコにおけるコーヒー文化の拡大

トルコにおけるコーヒー文化は、16世紀にイスタンブールから広まったとされますが、具体的に何がきっかけとなったかについては諸説あります。

 

諸説あるトルコ・コーヒーの起源

 
  • 16世紀に、アラブ商人がイスタンブールにコーヒーを持ち込んだことをきっかけとする説。
  • 16世紀に、コーヒーの味に惚れ込んだイエメン知事が、イスタンブールにコーヒー豆を持ち込み、スルタンに献上したことがきっかけとする説。

 

いずれにせよ、16世紀にイスタンブールで誕生したコーヒーハウスが、現代トルコのカフェのルーツになったといわれています。

 

一般市民にも普及

初期のコーヒーハウスは、非常に豪華なつくりで、博識ある上流の人々がコーヒーを囲んで議論を交わす社交場でした。しかしその後、コーヒーハウスは瞬く間に数を増やし、かつ一般市民にも開かれた場となり、人々がコーヒーを飲みながら、ソフベットやバックギャモンに興じたりするようになったのでした。