ルーマニアの社会問題

ルーマニアは東ヨーロッパ・バルカン半島に位置する共和制国家です。ニコラエ・チャウシェスク独裁政権の崩壊にともない成立した、中世から共産主義時代にまで至る多種多様な歴史建築物が魅力の国ですが、以下のような社会問題も抱えています。

 

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政治問題

ルーマニアは第二次世界大戦以降、ソ連の衛星国として、社会主義一党独裁体制が敷かれていましたが、1989年チャウシェスクの失脚にともない民主化を遂げました。しかし2015年の民主主義指数は167か国中59位となっており、「欠陥のある民主主義国家」とも称されています。

 

民主化後でも政策面でいくつもの問題を抱えており、例えば2007年にはじまった金融危機を受け、推進した緊縮政策が国民から大きな反発を受け、2012年には反政府運動の拡大により首相が退陣に追い込まれています。また2017年には汚職の助長になりかねない新法令に反対し、ブカレストの抗議デモに3万人が参加しています。

 

民族問題

ルーマニアには少数民族としてロマ人が数パーセント程度暮らしており、ロマ人への就職や住まいをめぐる差別が問題となっています。国勢調査ではロマ人の人口は60万人程度という結果が出ていますが、社会学研究者によれば、差別を恐れて申告しないロマ人が多いだけで、実際には100万人を超えるロマ人がルーマニアに暮らしていると考えられています。(ルーマニアの身分証明書には民族記入欄がない)

 

治安問題

ルーマニアの治安は、世界的にはそこまで悪い方ではないものの、日本と比べたら、ひっくたりやスリ、置き引きなどの軽犯罪ははるかに多く、滞在する場合は十分な注意が求められます。