リールの歴史

リールの鐘楼

 

リール(Lille)フランス北部・ベルギー国境近郊に位置するノール県の県都です。道路・鉄道・水路・航空路交通における要所である他、フランドル工業地帯擁する有数の工業都市でもあり、この地方の政治・経済・文化の牽引的役割を果たしています。

 

リールの時代変遷

 

古代

古代ローマ時代には「島状地」の意で「インスラ(Insula)」の名で呼ばれており、これがやがてフランス語で「島」を意味する「リール(Lille)」と呼ばれるようになりました。

 

中世

7世紀半ば頃から都市化が始まり、フランドル伯領時代(12世紀〜)にラシャ製造を主要産業に繁栄、フランドル地域の中心都市になっていきました。その後ブルゴーニュ公領、オーストリア領、スペイン領時代を経て、17世紀後半にフランス王国に併合されています。

 

近代

18世紀末、フランス革命戦争においてオーストリアからの攻撃に耐えた後は、繊維工業を主体に急速な工業発展を遂げていき、19世紀末の都市人口は同世紀初頭の3倍以上に跳ね上がりました。

 

20世紀、二度の大戦ではドイツ軍の占領を受け、戦後は繊維工業の低迷に悩まされましたが、観光業の勃興や北部高速道路の開通で交通の便が改善したこともあり、街には再び活気が戻り、現在はフランスでも指折りの経済都市になっています。