プロタゴラス(前490年頃 - 前420年頃)は古代ギリシアの哲学者で、弁論術の教育を生業としたソフィストとして知られる人物です。トラキア地方のアブデラ出身で、30歳からソフィストの活動を開始。ギリシア各地で弁論術を教えるようになり、前444年にはイタリアのギリシア植民市トゥリオイにて憲法作成の仕事を任されています。そして「人間は万物の尺度である」というのは彼の有名な言葉ですが、これは「人の認識・評価は相対的なもので絶対的な真実などない」という思想に基づいており、弱い論理を弁術によって押し通すソフィストの道を開いたといわれています。
相対主義というのは、絶対主義の反対、つまり絶対的な真理の存在を否定する立場のこと。プロタゴラスは「人間は万物の尺度である」として、人それぞれに尺度があるのだから、絶対的な知識も道徳も価値もないと説いたのです。
その考えに立脚し、事実関係がどうであろうが自分の考えを相手に「正しい」と思い込ませる弱論強弁の技術としてプロタゴラスが創始したのが弁論術・・・というわけです。そして彼の立場に立てば、黒を白と言い張ることも正当化されるわけなので、ソフィストが詭弁家とみなされる所以となっているのです。
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