
ポルトガル軍の軍旗
ポルトガル軍は、大航海時代に世界を舞台に活躍した軍事的伝統を持ちながら、現代ではNATOの一員として国際安全保障に積極的に参加しています。規模はヨーロッパ大国に比べ小さいものの、精鋭性と海外派遣能力を備えた実力ある軍です。この記事では、ポルトガル軍の歴史、装備、そして強さをわかりやすく解説いたします。
|
|
|
|
ポルトガル軍は、中世以来の独立防衛と大航海時代の海洋進出を通じて発展してきました。
12世紀にポルトガル王国が成立すると、カスティーリャ王国など近隣勢力との戦いで軍は強化されました。国土防衛を担う軍は、独立維持の象徴でもありました。
15〜16世紀にはエンリケ航海王子の時代から世界各地へ進出。ポルトガル海軍はアフリカ、アジア、南米に至るまで影響を拡大し、世界初の海洋帝国を築き上げました。
20世紀には植民地戦争を経て民主化を果たし、1980年代以降はNATOの活動やEU防衛協力に積極的に参加しています。現在は国際派遣任務に強い部隊を維持しています。
現代のポルトガル軍は、陸・海・空それぞれでNATO基準に沿った装備を整えています。
ポルトガル陸軍はレオパルト2A6戦車を主力とし、歩兵はG3小銃や近代化されたFN SCARを装備しています。装甲車パンディウルー装輪装甲車は国産車両で、NATO派遣でも活躍しています。特殊部隊も高い評価を得ています。
ポルトガル海軍は規模こそ小さいものの、ヴァスコ・ダ・ガマ級フリゲートやバルトロメウ・ディアス級フリゲートを保有し、NATO海洋任務に参加。哨戒艦や補給艦も整備されており、大西洋のシーレーン防衛を担っています。
ポルトガル空軍はF-16AM/BMを主力戦闘機とし、将来的にはF-35導入も検討されています。輸送機C-130HやC-295、空中給油機も運用し、海外派遣や国際作戦に対応できる体制を持っています。
では、規模が大国に及ばないポルトガル軍の強さはどこにあるのでしょうか。
ポルトガルはNATO創設メンバーであり、大西洋上の戦略的拠点として重要です。リスボン近郊やアゾレス諸島は、NATOの補給・監視活動にとって欠かせない存在です。
小規模ながらも国際任務に迅速に派遣できる即応部隊を持ち、アフリカや中東での平和維持活動に積極的です。「機動力と柔軟性」こそがポルトガル軍の強さといえるでしょう。
大航海時代以来の「海洋国家としての自負」が軍の精神的基盤を支えています。国民との距離が近い軍隊であり、国内の災害支援や人道活動でも信頼を得ています。
この記事では、ポルトガル軍の歴史、装備、そして強さについてご紹介いたしました。ポルトガル軍の力は、NATOでの積極的な貢献と即応力、そして海洋国家としての伝統に支えられているのです。小国でありながら国際社会に確かな存在感を持つ軍、それが現代のポルトガル軍といえるでしょう。
|
|
|
|